「そこまで細かく説明する?」と思った私が気づいたこと|若手社員に伝わる指示の出し方【第67回】

若手社員の育て方

こんにちは、昭和課長です。

若手社員に仕事を頼んだとき、こんな経験はありませんか?

「この仕事、お願いね」と伝えたところ、しばらくしても動き出さない。

こちらから様子を見に行くと、

「どう進めればいいのか分からなくて……」

と言われる。

そんなとき、50代管理職の私は、ついこう思ってしまいます。

悩める昭和課長
悩める昭和課長

「そこまで細かく説明しないといけないの?」

正直に言えば、以前の私はそう考えていました。

仕事をしていれば、ある程度は自分で考えて動くものだと思っていたからです。

「まずやってみればいい」

「分からなかったら、そのときに聞けばいい」

そんな感覚で部下に仕事を任せていました。

ところが、若手社員と仕事をする中で、少しずつ考え方が変わってきました。

「自分にとって当たり前のことが、若手社員にとっても当たり前とは限らない」

今回は、そんな経験から気づいた若手社員に伝わる指示の出し方について、50代管理職の立場から考えてみます。

「これくらい分かるだろう」が、実は伝わっていなかった

ある仕事を若手社員に依頼したときのことです。

私は簡単に説明して、「あとは任せれば大丈夫だろう」と思っていました。

ところが、しばらくしても仕事が進んでいません。

「どうしたの?」と聞くと、若手社員から返ってきたのは、

「どこまでやればいいのか分からなくて……」

という言葉でした。

そのとき私は、最初に「何を」「いつまでに」「どこまでやるのか」を伝えていなかったことに気づきました。

私の頭の中には、これまでの経験があります。

だから、短い指示でも、その後の流れまで想像できます。

しかし、経験の浅い若手社員にとっては、その「想像」ができないことがあります。

これは能力の問題というより、経験や判断材料の違いなのかもしれません。

第63回で考えた「指示待ちの部下」との違い

以前、第63回では、いわゆる「指示待ちの部下」にどう向き合うかを考えました。

そのときは、部下が自分から動かないことに対して、管理職としてどう関わればいいのかという視点が中心でした。

今回改めて考えてみると、部下が動かないときには、「本人が動こうとしていない」のか、「どう動けばいいのか分からない」のかを分けて考える必要があると思います。

第63回の記事はこちらです。

「指示待ちの部下」にどう向き合う?|50代管理職が実践する自分で考える力の育て方5選【第63回】

「指示を出したのだから、あとは本人の問題」と考えてしまうと、そこで話が終わってしまいます。

でも、指示そのものが曖昧だったとしたら、管理職側にも見直せるところがあります。

第65回で感じた「確認しない」問題ともつながっていた

さらに、第65回では、若手社員が仕事の途中でAとBのどちらに進めるか迷っていたものの、自分から確認しなかった経験について書きました。

私としては、

「分からなかったら聞けばいいのに」

と思っていました。

ところが、本人からすると、

「こんなことで聞いていいのかな」

「自分で考えたほうがいいのかな」

と迷っていたようです。

この経験からも、「質問しない部下」を単純に積極性がないと判断するのは早いと感じました。

第65回はこちらです。

「なぜ自分から確認しないの?」と感じた私が、若手社員と話して気づいたこと【第65回】

今回の「細かく説明する必要があるのか?」というテーマも、実はここにつながっています。

指示が曖昧なら、部下は迷います。

迷えば、確認するか、止まるか、自己判断することになります。

そして管理職は、「なぜ自分から動かないんだ?」と感じる。

こう考えると、上司と部下のすれ違いは、能力だけが原因ではないことが見えてきます。

若手社員に伝わる指示の出し方4つ

1.「何をするのか」を具体的に伝える

まず大切なのは、仕事の内容を具体的にすることです。

「資料をまとめておいて」だけでは、人によって完成イメージが違います。

「先月の資料を参考にして、今回の数字を入れてください」と伝えれば、何をすればいいのかが分かりやすくなります。

私自身も最近は、「これくらい分かるだろう」と省略しすぎないようにしています。

2.期限を明確にする

「早めにお願い」も、実は曖昧な指示です。

今日中なのか、明日の午前中なのか、今週中なのか。

上司と部下では認識が違うかもしれません。

「明日の15時までに一度見せてください」のように、期限を具体的にするだけでも、仕事は進めやすくなります。

3.「どこまでやればいいか」を伝える

若手社員に仕事を任せるとき、私が特に意識するようになったのがここです。

「完成までやってほしい」のか、

「まずは下書きまででいい」のか、

「途中で一度確認する」のか。

ここを伝えないと、部下は「勝手に進めていいのかな?」と迷います。

最初は少し細かいと思っても、仕事に慣れてくれば、少しずつ説明を減らしていけばいい。

4.迷ったときの相談方法を伝える

もう一つ大切なのが、「分からなかったら聞いて」と言うだけで終わらせないことです。

たとえば、

  • 判断に迷ったら相談する
  • 納期に間に合わなそうなら早めに報告する
  • 自分で判断できる内容は進める
  • 重要な判断は確認してから進める

というように、どんなときに相談してほしいのかを具体的にしておくと、部下も動きやすくなります。

「細かく説明する」と「細かく管理する」は違う

ここは私自身が特に気をつけているところです。

若手社員に細かく説明すると聞くと、

「全部指示してしまったら、自分で考えなくなるのでは?」

と思うかもしれません。

私も以前はそう考えていました。

でも、最近は「細かく説明すること」と「細かく管理すること」は別だと思っています。

最初は仕事の目的や期限、最低限のルールを伝える。

そのうえで、具体的な進め方については本人に任せる。

仕事に慣れてきたら、今度は「今回はどう進める?」と聞いてみる。

そうやって、少しずつ判断する範囲を広げていく。

これなら、最初から放任するのではなく、経験を積みながら自分で考える力を育てられます。

「自分で考えて」と言う前に、上司が確認したいこと

若手社員に「もっと自分で考えて」と言いたくなったとき、私は一度立ち止まるようになりました。

そして、次のことを自分に問いかけます。

  • 仕事の目的を伝えただろうか?
  • 期限を伝えただろうか?
  • 完成の基準を伝えただろうか?
  • 判断していい範囲を伝えただろうか?
  • 困ったときの相談方法を伝えただろうか?

これらを伝えていないのに、「なぜ自分で考えない?」と言っていたとしたら、少し厳しい言い方かもしれません。

部下に考えてもらうためには、まず考えるための材料を渡す必要があります。

細かく説明したあと、少しずつ任せていく

もちろん、いつまでも一から十まで説明しているわけにはいきません。

若手社員の育成では、最初は具体的に伝えて、仕事を覚えてきたら徐々に任せることが大切です。

例えば最初は、

「この資料を参考にして、ここまで作ってください。明日の午前中に一度見せてください」

と伝える。

次は、

「前回と同じような資料を作ってください。今回は進め方は任せます」

とする。

さらに経験を積めば、

「この目的のために必要な資料を考えて作ってみて」

と任せる範囲を広げられます。

こうして考えると、細かい指示はゴールではなく、自分で考えられるようになるためのスタート地点なのだと思います。

50代管理職が気づいた「伝える」と「任せる」のバランス

私はこれまで、「若手社員にはもっと自分で考えてほしい」と思っていました。

それ自体は今でも変わりません。

ただ、そのためには「自分で考えて」と言うだけでは足りないことがあります。

何を目指しているのか。

どこまで自分で決めていいのか。

どこから先は相談するのか。

その基準を伝えることも、管理職の仕事です。

第63回の「指示待ち」、第65回の「自分から確認しない」という問題を振り返ってみても、上司と部下の間にある「分かっているつもりのズレ」が大きいのだと感じます。

だから私は、「そこまで細かく説明する?」と思ったときほど、少し考えるようになりました。

「細かく説明する必要がある」のではなく、「相手が自分で判断できるところまで、必要な情報を渡す」。

そう考えると、以前よりも指示を出すことに抵抗がなくなりました。

まとめ|伝わる指示は、若手社員を育てる第一歩

若手社員に仕事を頼んだとき、思ったように動いてくれないと、つい「もっと自分で考えてほしい」と思ってしまいます。

私自身もそうでした。

でも、今回の経験を通して感じたのは、部下が動けないときには、本人だけではなく上司の指示の出し方にも見直せる部分があるということです。

  • 何をするのかを具体的にする
  • 期限を明確にする
  • どこまでやればいいのかを伝える
  • 迷ったときの相談方法を決める
  • 慣れてきたら少しずつ任せる

最初から完璧な指示を出す必要はありません。

部下の経験や成長に合わせて、説明する量や任せる範囲を変えていけばいい。

そして、細かく説明することは、部下を甘やかすことではありません。

自分で考えて動けるようになるための土台を作ること。

私は今では、そんなふうに考えています。

「そこまで細かく説明する?」と思ったときこそ、もしかすると、それは部下を育てるために自分の伝え方を見直すタイミングなのかもしれません。

50代管理職の私自身も、まだまだ試行錯誤の途中です。

これからも「昔はこうだった」に固執せず、若手社員が仕事を覚え、自分で判断できるようになるための関わり方を考えていきたいと思います。


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※本記事は、筆者自身の職場での経験をもとに、一部内容を再構成して紹介しています。

※個人や特定の企業・職場が特定されないよう、一部の設定や表現を変更しています。

※若手社員の仕事の進め方や考え方には個人差があります。本記事は特定の世代や個人を一律に評価するものではありません。

※本記事内の画像には、AI(ChatGPT / DALL·E)およびCanvaを利用して作成したものを含みます。

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