「とりあえずやってみます」がない理由|Z世代が動き出すまでの思考回路 【第24回】

若手社員の育て方

こんにちは、昭和課長です。

悩める昭和課長
悩める昭和課長

「これ、やっておいて」

そう伝えたとき、昔の私は、こんな返事が返ってくるのが当たり前だと思っていました。

「はい、とりあえずやってみます!」

ところが、最近の若手社員とのやり取りでは、少し違った返事が返ってくることがあります。

Z世代部下B

Z世代部下D
Z世代部下D

「少し確認してから進めます」
「一度整理してからでもいいですか?」

こんな返事が増えてきました。

正直なところ、忙しいときには「いいから、まずやってみてくれ」と思ったこともあります。

私たちの世代には、「まず動く」「やってみてから考える」という仕事の進め方が身についている人も多いと思います。

一方で、若手社員の中には、いきなり行動するよりも、状況を整理してから動こうとする人がいます。

そこで今回は、私自身の職場での経験をもとに、なぜZ世代の部下が「すぐ動かない」ように見えるのか、そして、管理職としてどう関われば動きやすくなるのかを考えてみます。

もちろん、すべてのZ世代が同じ行動をするわけではありません。性格や経験、仕事内容、職場環境によっても違います。

この記事では、あくまで私が若手社員と仕事をする中で感じたこととしてお話しします。

なぜZ世代の部下は「すぐ動かない」と感じるのか?

失敗を避けたいという気持ちがある

私が若手社員を見ていて感じることの一つが、「できるだけ失敗しない状態で動きたい」という意識です。

「とりあえずやってみる」という考え方なら、多少の間違いは途中で修正すればいい、と考えます。

しかし、最初から間違いを避けようとすると、どうしても動き出す前に確認が増えます。

この点については、以前の記事でも取り上げました。

失敗を避けるZ世代?昭和世代が「失敗から学んできた理由」【第13回】でも書いたように、若手社員の行動を見ていると、「失敗してから学ぶ」よりも「失敗する前に確認する」という姿勢が見えることがあります。

管理職からすると「慎重すぎる」と感じる場面でも、本人からすれば「失敗しないために必要な準備」なのかもしれません。

情報が足りない状態で動くことに不安がある

もう一つ感じるのが、情報が十分にそろっていない状態で動くことへの抵抗感です。

私たちの世代は、「分からないけど、とりあえずやってみる」という経験を積んできた人も多いでしょう。

しかし、若手社員の中には、「この条件で進めて大丈夫なのか」「ほかに確認しておくことはないか」と考えてから動く人がいます。

そのため、「確認してから進めます」という言葉が出てくるわけです。

これは前回の記事、なんでそんなに確認するの?Z世代部下の“慎重すぎる仕事術”の正体【第23回】ともつながっています。

「確認が多い」と「動き出しが遅い」は、同じ不安から生まれている場合がある。

私は、若手社員との仕事を通じて、そう考えるようになりました。

「正解」を探してから動こうとする

仕事をしていると、「これが正しいやり方なのか?」と迷うことがあります。

特に経験が浅い社員なら、過去の事例も少なく、自分の判断に自信を持てません。

そこで、周囲に確認したり、資料を見直したりしてから動こうとします。

もちろん、すべての仕事で最初から正解を求める必要はありません。

ただ、本人にとっては「間違った方向へ進むより、少し時間を使って確認したほうが安心」と考えているのかもしれません。

「動かない」のではなく「動けない」場合もある

判断基準が分からない

ここは、管理職として一度考えてみたいところです。

「自分で考えて動いて」と言われても、どこまで自分で判断していいのかが分からなければ、なかなか動けません。

「ここまでは自分で決めていい」

「このケースなら相談してほしい」

こうした基準が明確になっていれば、若手社員も一歩を踏み出しやすくなります。

反対に、判断基準が曖昧なまま「もっと自分で考えて」と言われると、本人は余計に慎重になってしまうことがあります。

過去に注意された経験がブレーキになる

以前、自分で判断して仕事を進めたときに、上司から「なんで勝手にやったの?」と言われたとします。

次から慎重になるのは、ある意味で自然なことです。

「また間違えたらどうしよう」

「確認しないで進めたら怒られるかもしれない」

そう考えれば、行動する前に確認するようになります。

だからこそ、部下の動きが遅いと感じたときには、本人だけを見るのではなく、これまでどんな経験をしてきたのかを考えてみることも大切です。

責任を意識しているから慎重になる

「自分が判断した以上、自分の責任になる」

そう考えている若手社員もいます。

これは、見方を変えれば責任感の表れです。

もちろん、何でも慎重になりすぎて仕事が止まってしまうのは困ります。

ただ、「すぐ動かない=やる気がない」と決めつけてしまうと、本来持っている責任感まで見えなくなってしまいます。

上司が感じる「なぜ動かないの?」の正体

「まずやってみる」という価値観との違い

私自身、「若い頃はもっと早く動いたのに」と思うことがあります。

でも、それは私が経験してきた職場環境の中で身についた考え方です。

若手社員には若手社員なりの仕事の進め方があります。

この違いを理解せずに、自分の経験だけを基準にすると、どうしても「遅い」「慎重すぎる」と感じてしまいます。

忙しいときほどイライラしてしまう

管理職側にも事情があります。

納期が迫っているときや、トラブル対応をしているときに「少し整理してから進めます」と言われれば、「今は整理している場合じゃない」と思ってしまうこともあります。

私も何度も経験しています。

ただ、あとから振り返ると、問題は部下だけではなく、自分に余裕がなかったことにも気づきます。

忙しいときほど、「なぜ動かない?」と責める前に、「最初の一歩をこちらが具体的に示せているか」を考えるようになりました。

Z世代の部下が動きやすくなる関わり方

「完璧じゃなくていい」と伝える

慎重な部下に対して、最初から完璧な仕事を求めると、さらに動きづらくなることがあります。

そんなとき私は、

悩める昭和課長
悩める昭和課長

「まずはここまでやってみて。途中で分からなければ確認してくれればいい」

と伝えるようにしています。

これだけでも、心理的なハードルは下がります。

「最初から完成させなくていい」と分かれば、まず手を動かせるからです。

最初の一歩を具体的にする

「これを進めておいて」という指示だけでは、部下がどこから手をつければいいのか迷う場合があります。

そこで、

  • まず資料を確認する
  • 次に担当者へ確認する
  • 分からなければ途中で相談する

というように、最初の行動を具体的に伝えます。

「何をすればいいか」が見えれば、人は動きやすくなります。

途中報告を前提にする

「全部終わってから報告して」ではなく、「途中で分からなくなったら相談していい」と伝えることも有効です。

最初から100点を目指すのではなく、途中で方向を確認する。

そうすれば、部下は「間違ったまま最後まで進めてしまう」という不安を減らせます。

上司にとっても、早い段階で修正できるというメリットがあります。

「動くのが遅い」と感じたときこそ、伝え方を見直す

若手社員に「もっと早く動いて」と言うだけでは、なかなか改善しないことがあります。

なぜなら、本人は本人なりに「失敗しないように」「迷惑をかけないように」と考えている可能性があるからです。

そこで、私は最近、次の3つを意識しています。

  1. どこまで自分で判断していいかを伝える
  2. 最初にやることを具体的に示す
  3. 途中で相談してもいいと伝える

これだけでも、「どうすればいいか分からない」という状態を減らせます。

もちろん、すぐに変わるわけではありません。

仕事は経験の積み重ねです。何度か自分で判断して、失敗や成功を経験していくうちに、「ここまでは自分で進めて大丈夫」という感覚が身についてきます。

価値観の違いを理解すると、見え方が変わる

「経験重視」と「リスク回避」はどちらも仕事の一面

私たちの世代は、経験を積みながら覚えることを重視してきました。

一方で、若手社員の中には、できるだけリスクを減らしてから行動したいと考える人もいます。

どちらか一方が正しいという話ではありません。

スピードが必要な仕事では早く動くことが重要ですし、間違いが大きな影響につながる仕事では慎重さが役立ちます。

大切なのは、その仕事では何を優先するのかを共有することです。

世代だけで決めつけない

ここは私自身も注意しているところです。

「Z世代だから動かない」と考えてしまうと、本人を見ることができなくなります。

同じ世代でも、積極的に動く人もいれば、慎重な人もいます。

仕事の経験年数や性格によっても違います。

だから私は、「Z世代」という言葉をきっかけとして考えつつも、最後は目の前にいる部下本人を見るようにしています。

違いを活かせばチームの強みになる

若手社員の慎重さには、ミスを防ぐという良さがあります。

ベテラン社員には、過去の経験から判断できるという強みがあります。

それぞれの良さを組み合わせれば、チームとしてできることは増えていきます。

「自分たちのやり方と違う」と感じたときに否定するのではなく、「この考え方にはどんな良さがあるのだろう?」と考えてみる。

それだけでも、世代間のコミュニケーションは少し変わってくると思います。

まとめ|「動かない」のではなく「動けない理由」を考えてみる

若手社員に仕事を頼んだとき、「少し確認してから進めます」と返ってくる。

そんな場面に出会うと、管理職としては「まずやってくれ」と思ってしまいます。

私もそうでした。

でも、若手社員の立場から見ると、

  • 失敗したくない
  • 判断基準が分からない
  • 情報が足りない
  • 過去に注意された経験がある
  • 自分の判断に責任を持ちたい

など、さまざまな理由があるのかもしれません。

だからこそ、私は「動かない」と決めつける前に、「動けない理由があるのでは?」と考えるようになりました。

上司としてできることは、ただ急かすことではありません。

「まずここまでやってみよう」

「途中で分からなくなったら相談していいよ」

「ここまでは自分で判断して大丈夫」

そんなふうに、安心して動ける環境を作ることも管理職の仕事です。

もちろん、部下自身が経験を積み、自分で判断できるようになることも必要です。

上司がすべて答えを用意するのではなく、少しずつ任せていく。

その繰り返しが、若手社員の成長につながっていくのだと思います。

「最近の若手は動くのが遅い」と感じたときこそ、まず一度、指示の出し方を見直してみる。

部下を変えるだけではなく、上司の関わり方も変えてみる。

それが、私が若手社員と仕事をする中で少しずつ学んできたことです。

よくある質問|Z世代の部下が動かないとき

Q. Z世代の部下は、なぜすぐに動かないのでしょうか?

一概には言えません。仕事の経験が浅く判断基準が分からない、失敗を避けたい、情報を整理してから進めたいなど、さまざまな理由が考えられます。まずは本人が何に迷っているのかを確認することが大切です。

Q. 「自分で考えて」と伝えても動かない場合はどうすればいいですか?

「自分で考えて」とだけ伝えるのではなく、「まず何を確認するか」「どこまで自分で決めていいか」を具体的に示してみましょう。最初の一歩が明確になることで、動きやすくなる場合があります。

Q. 若手社員を急かすのは逆効果でしょうか?

急ぐ必要がある仕事では、期限や優先順位を伝えることは重要です。ただ「早くして」と伝えるだけではなく、「今回はスピードを優先したい」「途中で確認していいから、まずここまで進めよう」と具体的に伝えるほうが、本人も行動しやすくなります。

最後に|若手社員の「慎重さ」をどう活かすか

若手社員と仕事をしていると、「自分たちの頃とは違うな」と感じる場面があります。

それは今後もきっとあるでしょう。

でも、違いがあるからこそ、こちらも考え直すきっかけになります。

「なぜ動かないんだ?」と思ったら、少しだけ視点を変えてみる。

「何が不安なんだろう?」

「判断するための材料は渡せているだろうか?」

「最初の一歩を具体的に伝えただろうか?」

そう考えてみると、今までとは違った見方ができるかもしれません。

私もまだまだ試行錯誤の途中です。

管理職だからといって、すべての答えを持っているわけではありません。

部下と一緒に仕事をしながら、こちらも学んでいく。

そんな気持ちを持ちながら、これからも若手社員との関わり方を考えていきたいと思います。

※本記事は、筆者が実際の職場で経験した出来事や、そこから考えたことをもとに、一部内容を再構成しています。

※個人や特定の企業、状況が特定されないよう、一部の内容を変更しています。

※本記事における「Z世代」は一つの世代区分を表す言葉であり、すべてのZ世代の人に当てはまる内容ではありません。個人によって考え方や行動は異なります。

※本記事内の画像には、AI(ChatGPT / DALL·E)およびCanvaによって作成されたものを含みます。

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