小さなことでも「やりました!」とアピールする若手社員|50代管理職が感じた承認欲求との向き合い方 【第55回】

若手社員の育て方

こんにちは、昭和課長です。

管理職として若手社員と接していると、最近よく感じることがあります。

それは、小さな仕事でも「できました!」「やりました!」と積極的にアピールしてくる若手社員が増えたことです。

もちろん、仕事をやり遂げたことを報告するのは悪いことではありません。

むしろ報告・連絡・相談は社会人として大切な基本です。

しかし正直なところ、

  • 「それは当たり前の仕事ではないかな」
  • 「まだ成果と言える段階ではないのでは」
  • 「もう少し経験を積んでから評価してほしいと言ってほしいな」

そう感じる場面も少なくありません。

私たち昭和世代は、与えられた仕事を当たり前にこなし、その積み重ねの先に成果があり、ようやく評価されるという感覚で育ってきました。

だからこそ、「やりました」と言う前に、「もっとできるようになろう」と考える人が多かったように思います。

一方で今の若手社員は、小さな成功でも積極的に報告し、自分の頑張りを伝えようとします。

最初は「自己アピールが強いな」と感じていましたが、一緒に働く中で、その背景には別の理由があるのではないかと考えるようになりました。

今回は、若手社員が小さなことでも成果をアピールする理由と、管理職としてどのように受け止めればよいのかについて、私自身の経験を交えながらお話しします。


小さな成功でも「やりました!」と伝える若手社員

若手社員を見ていると、仕事が終わるたびに

「できました!」

「終わりました!」

「言われたことは全部やりました!」

と報告してくれることがあります。

管理職としては報告してくれること自体はありがたいことです。

しかし、その内容を見ると、まだスタートラインに立ったばかりというケースも少なくありません。

例えば、

  • 頼まれた資料を作成した
  • メールを送信した
  • 言われた作業を終えた

こうした仕事は社会人としては当然の業務です。

もちろん最初のうちは一つひとつ覚えることが大切ですが、それだけで大きな成果とは言えません。

私は若い頃、「当たり前のことを当たり前に続けること」が社会人の基本だと教わってきました。

そのため、少し仕事を終えただけで成果としてアピールされると、どう受け止めればよいのか迷うことがあります。


怒られたくない気持ちが背景にあるのかもしれない

以前は、「自己評価が高いのかな」と思っていました。

しかし若手社員と接する中で、別の見方もできるようになりました。

それは、「怒られたくない」「ちゃんとやっていますと伝えたい」という気持ちです。

今の若手社員は、失敗することをとても恐れる傾向があります。

だからこそ、少しでも仕事が終わると早めに報告し、自分はきちんと仕事を進めていますという安心材料を得ようとしているのではないでしょうか。

管理職から見れば当たり前の仕事でも、本人にとっては「失敗せずに終えられた成功体験」なのかもしれません。

そう考えると、小さなアピールも単なる自己主張ではなく、不安の裏返しとして理解できるようになりました。


昭和世代は「結果」で評価される時代だった

私たち昭和世代は、「途中経過より結果を出すこと」が重視される時代に育ちました。

仕事が終わっても、自分から成果をアピールすることはほとんどありませんでした。

むしろ、上司や先輩が見ていてくれて、評価してくれるものだと考えていました。

そのため、

  • 目立たなくても努力を続ける
  • 黙って成果を積み重ねる
  • 一人前になって初めて認められる

という価値観が自然と身についていました。

もちろん、その考え方がすべて正しいとは思いません。

ただ、だからこそ今の若手社員の積極的な自己アピールに違和感を覚える管理職が多いのも無理はないでしょう。

世代によって「評価されるまでのプロセス」に対する考え方が大きく異なるのです。

「承認欲求」が強いと言われる理由

最近の若手社員を見ていると、小さな仕事でも「できました」「終わりました」と積極的に報告してくれる場面が少なくありません。

もちろん報告自体は悪いことではありません。

しかし管理職としては、

  • 「それは仕事として当然ではないかな」
  • 「まだ成果とは言えない段階ではないかな」
  • 「もっと全体を見てほしいな」

そう感じることもあります。

以前の私は、このような行動を見るたびに、

「なぜそんなことでアピールするのだろう」

と疑問に思っていました。

しかし最近では、その背景には「怒られたくない」「認めてもらいたい」という気持ちがあるのではないかと考えるようになりました。

Z世代は失敗を極端に避ける傾向があります。

だからこそ、小さな成功でも早めに報告し、自分はきちんと仕事をしていますという安心材料を得ようとしているのかもしれません。

そう考えると、単なる自己アピールではなく、不安の裏返しとも言えるでしょう。

SNS時代が自己アピールに与えた影響

私たち昭和世代が若い頃には、SNSはありませんでした。

仕事の成果は上司や先輩が見て評価するものであり、自分から積極的に発信する機会はほとんどありませんでした。

一方で、今の若手社員はSNSが当たり前の環境で育っています。

  • 写真を投稿する
  • 頑張ったことを発信する
  • 「いいね」をもらう
  • 共感されることが評価になる

このような文化の中で育ってきたため、「自分から伝えること」は自然な行動なのかもしれません。

職場でも、

「報告することで評価される」

という感覚につながっているように感じます。

もちろん、自分の成果を伝えることは決して悪いことではありません。

ただ、管理職として伝えたいのは、

「報告すること」と「成果を出すこと」は別である

ということです。

「褒める」と「甘やかす」は違う

最近は、

「若手は褒めて育てよう」

と言われることが増えました。

実際、私も以前より意識して褒めるようにしています。

「ありがとう」

「助かったよ」

「よく気づいたね」

こうした一言で職場の雰囲気が良くなることも実感しています。

一方で、どんなことでも褒め続けることが正しいとは思っていません。

当たり前のことまで過剰に評価してしまうと、

  • 基準が分からなくなる
  • 成長の機会を失う
  • 本当の達成感を感じられなくなる

という可能性もあります。

だから私は、

「できて当然のこと」と「努力して成長したこと」を分けて伝える

ように意識しています。

本当に頑張った時はしっかり褒める。

でも、当たり前の仕事については、「次はここを目指そう」と次の目標を示すようにしています。

褒めることと甘やかすことは、決して同じではありません。

管理職が伝えたい「当たり前を積み重ねる力」

仕事は派手な成果だけで評価されるものではありません。

毎日遅刻せずに出社する。

期限を守る。

報告・連絡・相談をきちんと行う。

頼まれた仕事を最後までやり切る。

こうした当たり前の積み重ねこそが、周囲からの信頼につながります。

私自身も若い頃は、

「目立つ成果を出したい」

と思っていました。

しかし管理職になった今、評価しているのは派手な成果よりも、

毎日安定して仕事を続けられる人

です。

当たり前を当たり前に続けられる人ほど、結果的に大きな仕事を任されるようになります。

だからこそ若手社員にも、

「まずは信頼を積み重ねよう」

と伝えています。

その土台ができてからの自己アピールには、大きな説得力が生まれるからです。

まとめ

若手社員が小さなことでも「できました」と報告する姿を見ると、昭和世代の私たちは違和感を覚えることがあります。

しかし、その背景には承認されたい気持ちや、失敗したくないという不安が隠れていることも少なくありません。

だからこそ管理職には、

  • 頑張りを認めること
  • 成果との違いを伝えること
  • 当たり前を積み重ねる大切さを教えること

この3つの役割が求められているのだと思います。

若手社員の価値観を否定するのではなく、その背景を理解したうえで成長へ導くことが、これからの管理職には必要なのではないでしょうか。


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※本記事は、実際の経験をもとに一部内容を再構成しています。
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