こんにちは、昭和課長です。
ある日、若手社員にこう言われました。
「課長、それパワハラです。」
正直、耳を疑いました。
私としては、ただ仕事を教え、改善してほしい点を伝えているつもりだったからです。
もちろん、実際にその言葉だけで「パワハラだった」と判断できるわけではありません。状況や言動の内容、繰り返し行われているかどうかなど、さまざまな要素を考える必要があります。
ただ、あの日の出来事は、私にとって「自分の指導は、相手にどう伝わっているのだろう?」と考え直す大きなきっかけになりました。
私たち50代の世代は、仕事の中で厳しく指導されながら成長してきた人も多いと思います。
- 先輩の背中を見て覚える
- 怒られて仕事を覚える
- 空気を読んで行動する
- 職場の飲み会で人間関係をつくる
そんな文化が当たり前だった職場もありました。
しかし、時代が変われば、働き方やコミュニケーションのあり方も変わります。
そもそも私がZ世代との世代ギャップを強く意識するようになったのは、日々の職場で感じる小さな違和感の積み重ねでした。その背景については、【第1回】部下がZ世代だった話|昭和課長がブログを始めた理由でも書いています。
今回は、若手社員に「それパワハラです」と言われた日の出来事を振り返りながら、50代の管理職として私が考える「怒ること」と「伝えること」の違いについて書いてみたいと思います。
「それパワハラです」と言われた瞬間
現場で起きた出来事
ある日のことでした。
若手社員が作った資料を確認していると、いくつか気になる点がありました。
私は内容を見ながら、本人にこう伝えました。

「この資料、やり直してくれる?」
すると、少し間があってから、彼がこう言ったのです。

「課長、それパワハラです。」
一瞬、頭が真っ白になりました。
「え? これがパワハラなの?」
正直、それが最初に感じたことでした。
私は怒鳴ったつもりもありません。人格を否定したつもりもありません。ただ、「もっと良い資料にしてほしい」という気持ちで修正を求めただけでした。
しかし、ここで大切なのは、自分に悪気がなかったからといって、伝え方に問題がなかったとは限らないということです。
今振り返ると、私は「やり直してほしい」という結論だけを伝え、その理由や、どこをどう改善してほしいのかを十分に説明していませんでした。
受け取る側からすれば、「頑張って作ったのに、ただダメと言われた」と感じた可能性もあります。
この出来事をきっかけに、私は「指導とは何か」を改めて考えるようになりました。
私が気づいた「指導」と「ただのダメ出し」の違い
管理職として仕事をしていると、部下の仕事を修正したり、改善点を伝えたりする場面は避けられません。
問題なのは注意すること自体ではなく、相手が次に何をすればいいのか分からない伝え方になってしまうことだと、私は感じています。
「ダメ」だけでは部下は成長しにくい
以前の私は、忙しいときほど結論だけを急いでいました。
「ここは違う」
「もう一度やって」
「これじゃ困る」
言っている本人は、改善してほしいポイントが頭の中にあります。しかし、部下にはその考えがすべて伝わっているわけではありません。
今はできるだけ、次の3つを伝えるようにしています。
- 何が問題なのか
- なぜ修正が必要なのか
- 次にどうすれば良くなるのか
例えば、「この資料をやり直して」とだけ言うのではなく、
「内容はよく整理できている。ただ、この部分は初めて見る人には分かりにくいかもしれない。結論を先に書くと、もっと伝わりやすくなると思うよ」
というように伝える。
同じ「修正依頼」でも、伝え方によって受け取り方は大きく変わります。
もちろん、いつも理想的な言い方ができるわけではありません。私自身も忙しいと、つい言葉が足りなくなることがあります。
それでも、「自分は伝えたつもり」ではなく、「相手は理解できただろうか」と考えることは、管理職として大切だと思うようになりました。
「パワハラ」と言われて、怒れなくなったわけではない
あの日の出来事のあと、正直に言えば、しばらく部下への注意が怖くなりました。
「また強く言ったと思われるのではないか」
「何か注意すると、パワハラだと言われるのではないか」
そんな気持ちが頭をよぎることもありました。
しかし、管理職が必要なことまで何も言わなくなれば、部下の成長につながりませんし、職場の問題を放置することにもなります。
そこで私が考えるようになったのは、「怒らないこと」が正解なのではなく、「感情だけで怒らないこと」が大切なのではないかということです。
仕事上、改善してほしいことは伝える必要があります。
ただし、その目的は相手を言い負かすことでも、怖がらせることでもありません。
仕事をより良くするために、何を改善するのかを一緒に考えること。
今は、その姿勢を意識するようにしています。
世代によって違う「当たり前」に戸惑った
私たち昭和世代が当たり前だと思ってきたことが、若い世代にとっても同じとは限りません。
このブログを続けていると、そのことを何度も実感します。
「掃除はみんなでやるもの」という当たり前
例えば、職場の掃除です。
私の世代にとっては、「気づいた人がやる」「みんなで職場をきれいにする」という感覚は自然なものでした。
しかし、部下にとっては「業務として指示されていないこと」なのかもしれません。
どちらが正しい、間違っているという単純な話ではなく、前提となる考え方が違うのだと感じることがあります。
この経験については、【第2回】Z世代はなぜ掃除をしないのか?で詳しく書いています。
「飲み会も仕事」という感覚
以前は、飲み会も職場の人間関係をつくる大切な場だと考えていました。
しかし、今では仕事とプライベートを分けたいと考える人も珍しくありません。
「参加しない=協調性がない」と決めつける前に、本人には本人の生活や考え方があることを理解する必要があるのだと思います。
私自身がその違いに気づいた経験は、【第4回】「飲み会も仕事でしょ?」と思っていた私が知ったZ世代の本音で紹介しています。
「仕事が終わるまで残る」という感覚
仕事に対する時間の考え方も変わりました。
私たちの世代には、「仕事が終わるまでは帰れない」という感覚があった人も多いと思います。
一方で若手社員は、限られた時間の中で仕事を終わらせ、定時に帰ることを大切にしている場合もあります。
最初は違和感を覚えた私自身も、考え方を見直すきっかけになりました。
そのときの経験については、【第5回】残業しない若手に違和感を覚えた私が知った本音で詳しく書いています。
「自分から動かない」と感じたときも、まず理由を考える
今回の出来事を経験してから、私は部下の行動を見たときに、以前よりも「なぜそうするのだろう?」と考えるようになりました。
例えば、上司から言われるまで動かない部下を見ると、つい「指示待ちだ」と感じることがあります。
しかし、その背景には、
- 失敗したくない
- 勝手に判断して怒られた経験がある
- 何を基準に判断すればいいのか分からない
- 責任の範囲が曖昧で不安
といった理由があるかもしれません。
もちろん、すべての若手社員が同じではありません。
だからこそ、世代だけで判断するのではなく、その人がなぜ動けないのかを知ることが大切なのだと思います。
私が「指示待ちなのか?」と感じた経験と、その後に気づいたことについては、【第6回】「指示待ちなのか?」と感じた私が気づいたZ世代の仕事観で詳しく書いています。
50代管理職として今、私が意識している3つのこと
「それパワハラです」と言われた経験から、私自身の指導方法をすべて変えたわけではありません。
ただ、以前より意識するようになったことがあります。
① 感情と事実を分けて伝える
イライラしているときほど、言葉が強くなります。
だからこそ、「自分は何に腹を立てているのか」ではなく、「仕事のどこに問題があるのか」を整理してから伝えるようにしています。
感情ではなく、事実と改善点を中心に話す。
これだけでも、伝え方は変わります。
② 改善点だけでなく、良かった点も伝える
管理職になると、どうしても問題点ばかりに目が向きがちです。
しかし、修正が必要な部分だけを伝え続けると、部下は「何をやっても評価されない」と感じるかもしれません。
そこで最近は、
「ここはよくできている。ただ、この部分を変えればもっと良くなるよ」
という伝え方を意識しています。
もちろん、褒めれば何でも解決するわけではありません。
それでも、相手ができていることを認めた上で改善点を伝える方が、次の行動につながりやすいと私は感じています。
③ 「分かった?」で終わらせず、相手の考えを聞く
以前は説明したあとに、「分かった?」と聞いて終わることが多くありました。
しかし、それでは本当に理解できたか分からないこともあります。
今は、
「今回、どこを直す必要があると思う?」
「次はどうすれば良さそう?」
と、本人の考えを聞くことがあります。
自分の言葉で考えてもらうことで、理解度を確認できますし、部下自身が考えるきっかけにもなります。
まとめ|怒るより、伝わる指導を目指したい
「課長、それパワハラです。」
あの日、その言葉を聞いたときは、本当に戸惑いました。
自分では普通に指導しているつもりだったからです。
しかし今振り返ると、あの出来事は、管理職として自分の伝え方を見直す大切なきっかけになりました。
もちろん、必要な指導までやめる必要はありません。
問題があれば改善を求めることも、管理職の役割です。
ただ、そのときに大切なのは、「自分が何を言いたいか」だけではなく、「相手にどう伝わるか」まで考えることなのだと思います。
世代が違えば、仕事に対する価値観や、言葉の受け取り方も違います。
だからといって、昭和世代の考え方をすべて捨てる必要があるとも思いません。
大切なのは、どちらが正しいかを争うことではなく、お互いの違いを理解しながら、より良い関係をつくっていくことではないでしょうか。
私自身、今でも部下との接し方に悩むことがあります。
それでも、以前より一つだけ意識するようになったことがあります。
怒る前に、まず「どう伝えれば相手が次の行動に移れるだろう」と考えること。
まだまだ試行錯誤の途中ですが、これからも50代管理職として、部下と一緒に成長できる上司を目指していきたいと思います。
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- 【第6回】「指示待ちなのか?」と感じた私が気づいたZ世代の仕事観
※本記事は、実際の経験をもとに一部内容を再構成しています。
※個人や特定の状況が特定されないよう、一部内容を調整しています。
※本記事内の画像には、AI(ChatGPT/DALL・E)およびCanvaによって作成されたものを含みます。使用条件を確認したうえでブログに掲載しています。


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