「伝えたつもり」が一番危ない|50代管理職が気づいたコミュニケーションの落とし穴【第59回】

コミュニケーション

こんにちは、昭和課長です。

管理職をしていると、こんな経験はありませんか。

「ちゃんと伝えたはずなのに、部下が違うことをしていた。」

そんな場面に出会うと、「どうして伝わらなかったんだろう」と戸惑ってしまいます。

私も以前は、「説明したのだから分かっているはず」と考えていました。しかし、実際には相手には違う意味で伝わっていたことが何度もありました。

最近では、Z世代の若手社員と接する中で、「伝えたこと」と「伝わったこと」は必ずしも同じではないと感じる場面が増えています。

今回は、私自身の経験をもとに、「伝えたつもり」が生み出すコミュニケーションの落とし穴について考えてみたいと思います。

この記事で分かること

  • 「言った」と「伝わった」の違い
  • 昭和世代とZ世代のコミュニケーションの考え方
  • 管理職が意識したい「伝わる伝え方」のポイント

「言った」と「伝わった」は違う

先日、若手社員へある商品の手配をお願いしたときのことです。

必要な商品名を伝え、私は「これで伝わった」と思っていました。

ところが、実際に納品された商品を見ると、品名はほとんど同じなのですが、仕様が少し異なる商品が届いていました。

確認してみると、同じシリーズの商品に似た名前の商品が二種類あり、若手社員はその違いに気付かないまま発注していたのです。

幸い、大きなトラブルにはなりませんでしたが、「伝えたつもり」と「伝わった」はまったく別のことなのだと改めて実感した出来事でした。

私は商品の特徴を理解していたため、「これで分かるだろう」と思っていました。しかし、相手は私と同じ知識や経験を持っているわけではありません。

管理職として長く仕事をしていると、自分では当たり前だと思っていることが増えていきます。

しかし、その「当たり前」は新人や若手社員にとっては初めて聞く内容かもしれません。

今回の出来事を振り返ると、商品名だけではなく、型番や仕様の違いまで伝えていれば防げたミスだったと思います。

つまり、私は「言った」という事実に満足してしまい、「相手に正しく伝わったか」という確認ができていませんでした。

仕事では、「言った」「聞いた」という事実よりも、「同じ認識になっているか」の方が重要です。

特に製造業では、小さな認識の違いが品質や納期に影響することもあります。

だからこそ管理職は、「伝えたつもり」で終わらせず、相手がどのように理解したのかまで確認する姿勢が必要なのだと感じています。


昭和世代は「見て覚える」が当たり前だった

私たち昭和世代は、「先輩の背中を見て覚える」という環境で育ってきました。

仕事を教わるときも、一から十まで説明してもらえることは少なく、分からないことは自分で調べたり、先輩の仕事を見ながら覚えたりするのが当たり前でした。

もちろん、不安なことがあれば自分から質問し、理解しようとする姿勢も自然と身についていたように思います。

例えば、お客様から「以前と同じものを同じ数量でお願いします」と注文をいただいた場合、まずは過去の注文履歴を確認し、前回と同じ内容なのかを自分で調べることが多かったと思います。

もし分からない点があれば、その時点で先輩や上司へ確認するという流れでした。

しかし、最近は若手社員へ同じような依頼をすると、「前回の商品はどれですか」「数量はいくつでしたか」と、一つひとつ説明を求められる場面が少なくありません。

もちろん、確認すること自体は決して悪いことではありません。

むしろ思い込みで仕事を進めてしまうより、安全で確実な方法だと言えます。

ただ、管理職としては、「まずは自分で調べてみよう」という姿勢がもう少しあってもいいのではないか、と感じることがあります。

一方で、これは若手社員だけの問題ではなく、私たち管理職の伝え方にも改善できる点があるのかもしれません。

「前回と同じ」という言葉一つを取っても、どの資料を見ればよいのか、どこで確認できるのかまで伝えておけば、お互いの認識のズレは少なくなります。

私自身も最近では、「伝えたから大丈夫」と考えるのではなく、「相手が自分で確認できる情報まで伝えられているか」を意識するようになりました。

管理職の役割は、答えをすべて教えることではありません。

若手社員が自分で考え、自分で確認できる環境を整えることも、大切な仕事の一つだと感じています。


Z世代は「確認してから動く」ことを大切にしている

今回の出来事を振り返りながら、私は「若手社員は理解しようとしていない」のではなく、「理解できているかを確認してから動きたい世代なのではないか」と感じました。

私たち昭和世代は、仕事をしながら覚えることが当たり前でした。

分からないことがあっても、「まずやってみよう」という気持ちで行動し、途中で修正しながら覚えていくことが多かったように思います。

一方で、今の若手社員は、間違えないことをとても大切にしています。

そのため、「これで合っていますか」「前回はどの商品でしたか」と確認してから仕事を進める傾向があります。

一見すると、自分で考えていないように見えることもあります。

しかし、その背景には、「間違えて迷惑をかけたくない」「失敗したくない」という気持ちがあるのかもしれません。

私自身も以前は、「まずは自分で調べてほしい」と思うことが多くありました。

ですが、最近では「確認すること」自体を否定するのではなく、確認する力も仕事の一つだと考えるようになりました。

もちろん、自分で調べる姿勢は大切です。

だからこそ管理職は、「まずはここまで調べてみよう」「分からなければ一緒に確認しよう」と伝えることで、自ら考える習慣を身につけてもらうことが重要なのだと思います。


管理職が変えるべきは「伝え方」だった

今回の記事を書きながら、一番反省したのは私自身でした。

私は長年の経験から、「これくらい言えば分かるだろう」と考えていました。

しかし、それは私の経験があるからこその判断であり、若手社員にとっては説明が不足していたのかもしれません。

管理職になると、経験が増える一方で、「当たり前」が増えていきます。

その結果、相手も同じように理解していると思い込んでしまうことがあります。

しかし、本当に大切なのは、「伝えたこと」ではなく、「伝わったこと」です。

最近の私は、仕事をお願いするときに、次の3つを意識するようになりました。

  • 相手が初めて聞く内容ではないかを考える
  • 確認できる資料や過去のデータを一緒に伝える
  • 最後に「ここまでで大丈夫?」と理解を確認する

この3つを意識するだけで、お互いの認識違いは以前より少なくなりました。

伝え方を少し変えるだけで、仕事のやり直しや思い込みによるミスは確実に減っていきます。

管理職は指示を出すだけでなく、「相手に伝わる伝え方」を身につけることも、大切な役割なのだと感じています。


管理職が今日からできる3つの工夫

今回の出来事を振り返って感じたのは、「伝え方」は少し工夫するだけでも大きく変わるということです。

私自身も、最近は次の3つを意識するようにしています。

  • 重要な指示は復唱してもらう
    「分かりました」で終わらせず、「どのように理解したか」を言葉にしてもらうことで、認識のズレを防げます。
  • 曖昧な表現を避ける
    「前回と同じ」「いつものやつ」ではなく、型番や数量、資料など具体的な情報まで伝えるようにしています。
  • 最後に「どう理解した?」と聞く
    一方的に説明するだけではなく、相手の理解を確認することで、お互いに安心して仕事を進められます。

ほんの少し手間はかかりますが、大きなミスを防ぎ、お互いの信頼関係を築くことにつながると感じています。


まとめ

今回は、「伝えたつもり」が生み出すコミュニケーションの落とし穴について、私自身の経験をもとにお話ししました。

商品の手配をお願いした出来事を通して、「言った」と「伝わった」は同じではないことを改めて実感しました。

昭和世代は「見て覚える」「まずは自分で考える」という環境で育ちましたが、今の若手社員は「確認してから進める」ことを大切にする人が多くいます。

どちらが正しいということではなく、世代によって仕事への向き合い方が違うだけなのかもしれません。

だからこそ、管理職には「伝えたから終わり」ではなく、「伝わったか」を確認する姿勢が求められます。

私自身も、今回の出来事をきっかけに、自分の伝え方を見直す良い機会になりました。

これからも、相手の立場に立ちながら、お互いが気持ちよく仕事ができるコミュニケーションを心掛けていきたいと思います。

「伝えたかどうか」ではなく、「伝わったかどうか」を確認する。管理職にとって最も大切なのは、この視点なのかもしれません。


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※本記事は、実際の経験をもとに一部内容を再構成しています。

※個人や特定の状況が特定されないよう配慮しています。

※本記事内の画像にはAI(ChatGPT/DALL·E)およびCanvaで作成した画像を含みます。

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