こんにちは、昭和課長です。
最近、若手社員と一緒に働いていて、こんなふうに感じたことはありませんか?
- 若手が自分から動かないように見える
- 指示を出さないと仕事が進まない
- 「もう少し主体的に動いてほしい」と思ってしまう
正直に言うと、私も何度も同じように感じてきました。
仕事が一段落して手が空いているように見えるのに、自分から次の仕事を探している様子がない。こちらから声をかけると、頼んだ仕事はきちんとやってくれる。それなのに、なぜ自分から動かないのだろう。
そんな場面を見るたびに、以前の私は「最近の若手は指示待ちなのではないか」と考えていました。
これまでのシリーズでも、掃除・飲み会・残業など、さまざまな場面で世代ギャップを感じてきました。その中でも、「主体性」や「自分から動くこと」は、管理職にとって特に悩みの深いテーマではないでしょうか。
▶ 【第5回】残業しない若手に違和感を覚えた私が知った本音でも書きましたが、若手社員との関わりの中で、私たち管理職が「当たり前」だと思っている働き方そのものを見直す場面が増えていると感じています。
今回は、私が「指示待ちなのか?」と感じた若手社員との出来事を振り返りながら、実際に話をして見えてきたこと、そして管理職として意識するようになったことをお伝えします。
「指示待ちなのか?」と感じた瞬間
ある日のことでした。
チームで進めている業務の中で、ひとつの仕事が終わり、少し手が空いているように見える若手社員がいました。
私自身は忙しく動いていましたが、その若手社員は次の仕事に取りかかる様子がありません。
もちろん、何もしていなかったわけではありません。自分の担当業務を終え、次に何をすればよいのか待っているようにも見えました。
しかし、そのときの私は内心こう思っていました。
「手が空いているなら、自分で何かできることを探せばいいのに……」
昭和世代の私にとって、「手が空いたら次の仕事を探す」というのは、ある意味で当たり前の感覚でした。
しばらく様子を見ていましたが、特に動く気配はありません。
そこで私は声をかけました。

「今、手が空いているなら、この資料の確認をお願いできる?」
すると、その若手社員はすぐにこう答えました。

「はい、わかりました」
そして、頼んだ仕事はきちんと進めてくれました。
指示を出せばしっかり動く。でも、自分から次の仕事を見つけて動くことは少ない。
その姿を見て、私は正直に思いました。
「これは指示待ちなのではないか?」
ただ、今振り返ると、そのときの私は自分の価値観だけで相手を判断していたのかもしれません。
昭和世代にとっての「主体性」とは
私たち昭和世代は、社会人になった頃から、こんな言葉をよく聞いてきました。
- 言われる前に動け
- 空気を読んで行動しろ
- 自分で仕事を見つけろ
- 先輩の背中を見て覚えろ
もちろん、すべての昭和世代が同じ考え方というわけではありません。しかし、少なくとも私自身は、「自分で考えて先回りして動くこと」が主体性だと考えてきました。
仕事を教えてもらうだけではなく、周囲を見ながら「今、自分にできることは何だろう」と考える。それが仕事を覚えるためにも必要だと思っていたのです。
だからこそ、「指示がないと動かない」ように見える若手社員に対して、違和感を覚えることがありました。
しかし、ここで一つ大切なのは、私が当たり前だと思っていたことが、必ずしも誰にとっても当たり前ではないということです。
▶ 【第3回】「それパワハラです」と言われた日でも触れましたが、昔の職場では普通だった指導や働き方が、今の時代にはそのまま通用しないこともあります。
「主体性を持ってほしい」という気持ちは大切です。ただし、上司が考える主体性と、部下が考える主体性に違いがある可能性も考えなければならないのだと思います。
Z世代の部下に聞いてみた本音
「なぜ自分から動かないのだろう?」
気になった私は、ある日、思い切って本人に聞いてみることにしました。

「手が空いたとき、自分から次の仕事を探そうとは思わない?」
責めるようにならないよう、できるだけ普通に聞いたつもりです。
すると、こんな答えが返ってきました。

「何をやっていいのか、正直わからないことが多いです」
さらに話を聞くと、こんな言葉もありました。

「勝手に進めてしまっていいのか、不安なんです」
この言葉を聞いたとき、私はハッとしました。
私には「動かない」ように見えていました。しかし本人にとっては、「動きたくない」のではなく、「自分の判断で動いてよいのか分からない」状態だったのです。
もちろん、すべての若手社員やZ世代が同じように考えているわけではありません。積極的に仕事を見つけて動く若手もいますし、年代に関係なく指示を待つ人もいます。
それでも、今回の出来事から私が感じたのは、上司が「なぜ動かないのか」と決めつける前に、本人の理由を聞いてみることの大切さでした。
「指示待ち」ではなく、慎重に判断している場合もある
話を聞いていくうちに、若手社員が自分から動かない背景には、いくつかの不安があることに気づきました。
勝手にやって失敗したくない
仕事には、上司の判断が必要なものや、担当者の役割が決まっているものがあります。
若手社員からすれば、「手が空いたから」と勝手に別の仕事を始めて、後から「なぜそれをやったの?」と言われることを避けたいのかもしれません。
特に経験が少ないうちは、何が正解なのか判断すること自体が難しいものです。
責任の範囲を明確にしたい
「自分がどこまで判断してよいのか」が分からないと、人は積極的に動きにくくなります。
上司から見れば簡単なことでも、経験の少ない部下にとっては判断材料が足りない場合があります。
「そこまで考えなくてもいいのに」と思うことでも、本人は真剣に悩んでいるかもしれません。
曖昧なルールの中で動くことが不安
私たちの世代は、「先輩を見て覚える」「空気を読んで判断する」という環境に慣れてきました。
しかし、職場によっては、暗黙のルールが多すぎると何をすればよいのか分かりにくくなります。
▶ 【第2回】掃除をしない理由でも感じましたが、「言われなくてもやるべきこと」と「言われていないからやらなくてもよいこと」の境界線は、人によって違います。
上司が「なぜ分からないの?」と思うことでも、部下にとっては「説明されていないから分からない」のかもしれません。
私が見直した「主体性」の考え方
この出来事をきっかけに、私は自分のマネジメントを少し見直すようになりました。
以前の私は、どこかで「自分で考えて動くべき」と考えていたのだと思います。
しかし、よく考えてみれば、経験や情報が少ない状態で「自分で考えて」と言われても、何を基準に判断すればよいのか分からないのは当然です。
主体性とは、単に「何でも自分で判断して動くこと」ではないのかもしれません。
与えられた仕事の目的を理解し、自分なりに考え、必要なときには相談する。そして任された範囲で責任を持って行動する。
それも立派な主体性ではないでしょうか。
管理職として大切なのは、「なぜ自分から動かないのか」と不満を持つことだけではなく、部下が自分から動ける環境を作れているかを考えることだと感じるようになりました。
若手社員が動きやすくなるために管理職ができる3つのこと
ここからは、私自身が実際に意識するようになったことをご紹介します。
① 指示を具体的にする
「これをやっておいて」だけでは、部下はどこまでやればよいのか分からないことがあります。
そこで私は、できるだけ次の3点を意識するようにしました。
- 何をするのか
- いつまでにするのか
- どのような状態になれば完了なのか
もちろん、すべてを細かく指示する必要はありません。ただ、経験の浅い部下ほど「判断の基準」を示すことで、安心して動きやすくなると感じています。
② 任せる範囲を明確にする
「自分で考えてやってみて」と言うだけでは、若手社員にとっては難しい場合があります。
例えば、「この部分までは自分で判断していいよ」「迷ったらここで相談して」と伝える。
それだけでも、部下は動きやすくなります。
すべてを上司に確認する必要がないこと、逆に確認してほしいことを明確にすることも、主体性を育てるためには大切だと感じています。
③ 小さな行動を認める
部下が自分から動いたとき、結果だけを評価するのではなく、「自分で考えて動いてくれたね」と行動そのものを認めるようにしています。
すると、次も行動してみようという気持ちにつながることがあります。
もちろん、褒めれば必ず主体的になるという単純な話ではありません。
それでも、「自分で動いても大丈夫だった」という経験を積み重ねることは、若手社員にとって大きな安心材料になるのではないでしょうか。
価値観の違いを知ることから関係づくりが始まる
▶ 【第4回】飲み会に来ないZ世代の本音でも書きましたが、世代間の違いを感じたときに、まず「自分とは考え方が違う」と理解することが、関係づくりの第一歩なのだと思います。
飲み会に来ないから協調性がない。
残業をしないからやる気がない。
自分から動かないから主体性がない。
このように、一つの行動だけで判断してしまうと、本当の理由が見えなくなってしまいます。
実際に話を聞いてみると、その行動には本人なりの考えや不安があることも少なくありません。
もちろん、部下の行動をすべて理解することは難しいですし、管理職にも「ここは改善してほしい」と伝えなければならない場面があります。
だからこそ、一方的に決めつけるのではなく、「なぜそう考えたの?」と対話することが大切なのだと感じています。
まとめ|「指示待ち」は見方を変えることで見えてくるものがある
「指示待ちなのか?」と感じた若手社員との出来事。
最初の私は、「もっと自分から動いてほしい」と思っていました。
しかし、実際に話を聞いてみると、その背景にはさまざまな不安がありました。
- 勝手にやって失敗したくない
- 何をやってよいのか分からない
- 自分で判断してよい範囲が分からない
私たち管理職から見れば「指示待ち」に見える行動も、本人にとっては慎重に仕事を進めようとする姿勢なのかもしれません。
もちろん、主体的に動く力を身につけてもらうことは大切です。
ただ、そのためには「もっと主体的に!」と求めるだけではなく、部下が安心して判断し、失敗から学び、自分で動ける環境を作ることも管理職の役割ではないでしょうか。
昭和世代とZ世代では、仕事に対する考え方や経験してきた環境が違います。
だからこそ、「昔はこうだった」だけではなく、目の前の部下が何を考えているのかを知ろうとすることが大切なのだと思います。
私自身も、まだまだ試行錯誤の途中です。
同じように「最近の若手は指示待ちなのでは?」と悩んでいる管理職の方がいれば、まず一度、本人の話を聞いてみてはいかがでしょうか。
もしかすると、こちらが想像していなかった理由が見えてくるかもしれません。
あわせて読みたい
指示待ちに見える行動の背景には、失敗を避けたい気持ちや、自分の判断に対する不安がある場合もあります。Z世代部下との接し方や、管理職として私が実践している考え方を総まとめした記事はこちらです。
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若手社員の育成方法や指導のポイント、管理職としての考え方を実体験をもとに解説しています。
※本記事は、筆者自身の職場での経験をもとに一部内容を再構成しています。すべてのZ世代や若手社員に当てはまるものではありません。
※個人や特定の状況が特定されないよう、一部内容を調整しています。
※本記事内の画像には、AI(ChatGPT / DALL·E)およびCanvaによって作成されたものを含みます。各サービスの利用条件を確認したうえで、ブログ掲載が可能な範囲で使用しています。


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