こんにちは、昭和課長です。
「最近の若手、指示しないと動かないな…」
管理職として部下を見ていると、そんなふうに感じることはありませんか?
私も正直、何度もありました。
仕事をお願いしたあと、こちらから確認しないと次の行動が見えない。
「ここまでやったら、次はこうするだろう」と思っていたのに、そこで止まっている。
そんな姿を見ていると、つい、
「もう少し自分で考えて動いてくれないかな」
と思ってしまいます。
私自身、以前はこうした行動を「指示待ち」と考えていました。
実はこのテーマ、以前にも一度考えたことがあります。
→ 【第6回】「指示待ちなのか?」と感じた私が気づいたZ世代の仕事観
第6回では、若手社員の「指示を待つように見える行動」を、世代による仕事観の違いという視点から考えました。
ところが、その後も若手社員と仕事をしていると、私はもう一つの可能性に気づくようになりました。
それが、今回のテーマである「確認待ち」です。
「もっと主体的に動いてほしい」
そう思っていたある日、部下からこんな一言を言われたんです。

「どこまでやっていいか、確認したくて…」
その瞬間、私はハッとしました。
「動きたくない」のではなく、「間違った方向に進みたくない」のかもしれない。
もしかすると、私が「指示待ち」だと思っていた行動の中には、実は「確認してから動きたい」という気持ちが含まれていたのではないか。
今回は、そんな気づきをきっかけに、私が「指示待ち」と「確認待ち」の違いについて考えたことをお話しします。
「指示待ち」に見えた部下の行動
仕事をお願いしたのに、なかなか動かない
仕事を部下にお願いしたとき、管理職として気になるのが、その後の動きです。
例えば、
- 仕事をお願いしたあと、しばらく動きが見えない
- こちらから聞かないと進捗報告がない
- 次に何をするのか、自分から相談してこない
- 一つの作業が終わると、その場で止まってしまう
こうした場面が続くと、私は以前、かなり単純に考えていました。

(心の声)「言われたことしかやらないな…」
「もう少し自分で考えて動いてほしい」
もちろん、すべての若手社員がそうだという話ではありません。
私の職場でも、積極的に動く若手社員はいます。
ただ、私が「どうしてここで止まるんだろう?」と感じるケースがあったことは事実です。
そして、忙しいときほど、その行動を「受け身」と判断してしまいがちでした。
「やる気がないのか?」と感じた私の本音
管理職として仕事を抱えていると、部下の動きが止まっていることに焦りを感じます。
自分自身も次の仕事を抱えている。
上司からも進捗を聞かれる。
そんな状況で、部下から何も言ってこないと、つい、

(心の声)「やる気がないのか?」
「仕事に対して受け身すぎるのでは?」
そんなふうに思ってしまうことがあります。
でも、ここで一度立ち止まって考える必要がありました。
「動いていない」という事実と、「やる気がない」という判断は、本当に同じなのだろうか?
今振り返ると、私はこの二つを少し混同していたのだと思います。
実は「確認待ち」だったという気づき
部下に「どうして進めなかったの?」と聞いてみた
あるとき、仕事をお願いしたあとに部下の動きが止まっていることがありました。
私はいつものように、「なぜ進めなかったのだろう?」と思いました。
そこで、少し聞き方を変えてみることにしました。

「どうして自分から進めなかったの?」
責めるつもりではなく、純粋に理由を知りたかったのです。
すると、返ってきたのがこんな言葉でした。

「間違っていたら迷惑かけると思って…」
この言葉を聞いたとき、私の中で少し見方が変わりました。
「やる気がない」のではなく、
「自分の判断で進めて、もし間違っていたらどうしよう」
という不安があったのです。
つまり、本人の中では「何もしない」のではなく、「確認してから動く」という選択をしていたわけです。
「確認してから動く」は、必ずしも悪いことではない
もちろん、何でもかんでも確認しなければ動けない状態が続くと、仕事のスピードに影響します。
管理職としては、自分で判断できるようになってほしいと思います。
ただし、確認すること自体を「悪い行動」と決めつけるのも違います。
例えば、会社のルールや安全面、品質、顧客対応など、勝手に判断してはいけない仕事もあります。
そうした場面では、確認することがむしろ大切です。
問題は、「確認すること」ではなく、「どこまで自分で判断してよいのかが分からないこと」なのかもしれません。
私はそこに気づきました。
「指示待ち」と「確認待ち」は何が違うのか
ここで私が考えたのが、「指示待ち」と「確認待ち」の違いです。
本当に指示を待っているケース
もちろん、すべてを「確認待ち」と考えてしまうのも危険です。
仕事そのものに関心がなく、言われたことだけをやって終わりというケースもあります。
例えば、仕事が終わっているのに次の仕事について何も考えず、問題が起きても報告しない。
何度説明しても同じことを繰り返し、「自分には関係ない」という態度を取る。
こうした場合には、単純に「慎重だから」と片づけるのではなく、仕事への向き合い方そのものを確認する必要があります。
確認待ちの場合は「動く意思」がある
一方で、「確認待ち」の部下には少し違った特徴があります。
本人に聞いてみると、
- 「ここまではやっていいですか?」
- 「この方法で合っていますか?」
- 「次はこの作業でいいですか?」
- 「自分ではこう考えていますが、進めても大丈夫ですか?」
といった質問が出てきます。
これは、仕事をしたくないというより、「間違えないための確認」をしている可能性があります。
私はこの違いを意識するようになってから、部下を見る目が少し変わりました。
「なぜ動かないんだ?」と考える前に、
「どこまで自分で判断していいのか分からないのでは?」
と考えるようになったのです。
なぜ「確認してから動く」ようになるのか
失敗したときの影響を気にしている
部下の話を聞いていると、「失敗したくない」という気持ちが行動に影響していることがあります。
これは、すべてのZ世代に当てはまるという話ではありません。
あくまで私が実際の職場で接した若手社員とのやり取りから感じたことです。
本人からすると、
「自分の判断で進める」
↓
「もし間違っていたら、やり直しになる」
↓
「周囲に迷惑をかけるかもしれない」
↓
「だったら、最初に確認しておこう」
という考え方になっているのかもしれません。
私たち管理職からすると、「まずやればいいのに」と思うことでも、本人にとっては慎重に判断している状態なのです。
「勝手にやる=リスク」という感覚
私たちの世代では、
「とりあえずやってみろ」
「失敗して覚えろ」
と言われることが珍しくありませんでした。
私自身も、分からないことがあれば、とりあえず自分でやってみることを求められてきました。
もちろん失敗もしました。
怒られることもありました。
でも、その経験を通して「次はこうすればいい」と覚えてきた部分もあります。
一方で、今の職場では、失敗による影響を事前に考えることも重要になっています。
だからこそ、若手社員の中には、
「確認せずに進めること=積極性」ではなく、「確認せずに進めること=リスク」
と考える人がいても不思議ではありません。
ここに、世代間の仕事観の違いがあるのだと思います。
失敗に対する考え方については、こちらの記事でも詳しく書いています。
→ 【第13回】失敗を避けるZ世代?昭和世代が「失敗から学んできた理由」
昭和世代との決定的な違いは「判断基準」かもしれない
「まずやってみろ」が当たり前だった私たち
私たちの世代は、上司から細かく説明されなくても、「たぶんこういうことだろう」と考えて動くことを求められる場面が多かったように思います。
もちろん、すべての昭和世代がそうだったわけではありません。
それでも、「背中を見て覚える」「仕事はやりながら覚える」という考え方が、今より強かったのではないでしょうか。
だから管理職になった今も、無意識のうちに、
「これくらいは自分で判断できるだろう」
と思ってしまいます。
若手からすると「どこまでが自分の仕事なのか」が分からない
ところが、部下の立場から考えてみると、少し違って見えてきます。
例えば、
「この資料を確認しておいて」
とだけ言われたとします。
上司は、「確認して、必要なら修正して、関係者に共有してくれるだろう」と考えている。
しかし部下からすると、
- 修正までしていいのか
- 誰かに相談していいのか
- 関係者に送っていいのか
- 上司に戻して確認してもらうべきなのか
が分からないことがあります。
この場合、部下は「仕事をしたくない」のではありません。
「どこまでが自分の判断で許される範囲なのか分からない」
だから確認する。
私は、こうしたケースが「確認待ち」なのではないかと思うようになりました。
管理職ができる「確認待ち」を減らす3つの工夫
①「ここまでは任せる」と最初に伝える
私が意識するようになったのが、仕事をお願いするときに「任せる範囲」を伝えることです。
例えば、
「まずは自分の判断でここまで進めて大丈夫」
と伝えます。
さらに、
「ここから先は、一度私に確認して」
と線引きをします。
これだけでも、部下はかなり動きやすくなります。
「どこまでやっていいのか分からない」という状態を、上司側から減らしてあげるわけです。
②「分からなければ確認していい」と伝える
もう一つ大切なのが、確認することを否定しないことです。
「いちいち聞かないで、自分で考えて」
とだけ言ってしまうと、部下は余計に質問しづらくなります。
そこで私は、
「まず自分の考えを持って、それでも迷ったら確認して」
という伝え方がいいのではないかと思っています。
「分からなければ聞いていい」という安心感と、「まず自分で考える」という習慣を両立させることができます。
③「どうしたいと思う?」と聞いてみる
部下から確認されたとき、管理職がすぐに答えを教えてしまうのも、長い目で見ると考える機会を奪ってしまうことがあります。
例えば、
「この場合、どうしたらいいですか?」
と聞かれたら、
「あなたはどうしたらいいと思う?」
と返してみる。
もちろん、急いでいるときや重要な判断が必要な場面では、こちらが答える必要があります。
でも、時間に余裕がある仕事なら、部下に考えてもらうことも大切です。
そうすると、次第に、
「どうしたらいいですか?」
から、
「私はこうしたいと思います。問題ないでしょうか?」
に変わっていきます。
この変化は、管理職としてかなり大きいものだと思います。
「確認待ち」から「自分で考えて動く」までの段階
私は、部下にいきなり「もっと主体的に動いて」と求めるよりも、段階を踏んだほうがいいと思っています。
最初の段階は「確認してから動く」
まずは、分からないことを確認できる状態です。
これは決して悪いことではありません。
むしろ、分からないまま勝手に進めるよりも、適切なタイミングで確認できるほうが安全な場合もあります。
次の段階は「自分の考えを添えて確認する」
次に目指したいのが、
「どうしたらいいですか?」
だけではなく、
「私はA案がいいと思っています。理由は○○です。これで進めていいですか?」
という状態です。
ここまで来ると、単なる確認ではありません。
自分で考えたうえで、最終確認をしているからです。
最終的には「自分で判断して報告する」
そして最終的には、
「この件はA案で進めました。理由は○○です」
と、自分で判断して結果を報告できるようになる。
これが、私が考える「主体的に動く」という状態です。
いきなり最後の段階を求めるのではなく、
確認する → 自分の考えを持つ → 自分で判断する
という順番で経験を積ませる。
これなら、部下にとっても無理がありません。
「確認待ち」と分かると、管理職のイライラも減る
「なぜ動かない?」から「何が不安なの?」へ
今回の経験で、私自身が一番変わったのは、部下への見方です。
以前は、仕事が止まっていると、
「なぜ動かないんだ?」
と考えていました。
今は少し違います。
「何が分からなくて止まっているんだろう?」
と考えるようになりました。
同じ「止まっている」という状態でも、原因は違うかもしれません。
仕事への意欲がないのかもしれない。
仕事の目的が分かっていないのかもしれない。
優先順位が分からないのかもしれない。
それとも、今回のように「どこまでやっていいのか分からない」のかもしれません。
原因が違えば、管理職の対応も変わります。
「指示待ち」という言葉で片づけない
「指示待ち」という言葉は便利です。
でも、便利だからこそ注意が必要だと思います。
その言葉を使った瞬間に、「この部下は主体性がない」と決めつけてしまう可能性があるからです。
私自身がそうでした。
本当は「確認したかっただけ」なのに、こちらが勝手に「指示待ち」と判断していたのかもしれません。
もちろん、すべてのケースが「確認待ち」というわけではありません。
だからこそ、まず本人に理由を聞いてみることが大切なのだと思います。
昭和課長が反省したこと
今回の出来事を振り返ると、私は部下に「主体性」を求める一方で、主体的に動くための条件を十分に伝えていなかったのかもしれません。
「自分で考えて動いてほしい」と言うだけなら簡単です。
でも、
- どこまで自分で決めていいのか
- どのタイミングで確認するのか
- 失敗したときにどうフォローするのか
- 何を基準に判断すればいいのか
ここまで伝えなければ、部下は動きたくても動けない場合があります。
これは、部下だけの問題ではありません。
「主体的に動いてほしい」と言うなら、主体的に動ける環境をつくることも管理職の仕事。
そう考えるようになりました。
まとめ|「指示待ち」ではなく「確認待ち」かもしれない
今回の記事で一番伝えたいのは、
「若手が動かない=やる気がない」と決めつけないことです。
私が実際に部下と話してみて分かったのは、本人の中では「動きたくない」のではなく、「間違った判断をしたくない」という思いがあったことでした。
つまり、私が「指示待ち」と思っていた行動の一部は、実は「確認待ち」だったのです。
もちろん、これは私の職場での経験です。
Z世代だから全員が慎重というわけでもありませんし、昭和世代だから全員が「まずやってみろ」という考え方でもありません。
大切なのは、世代だけで判断せず、目の前にいる部下が「なぜ、その行動をしているのか」を考えることだと思います。
もし部下の動きが止まっていたら、いきなり、
「指示待ちだな」
と決めつけるのではなく、
「何か確認したいことがある?」
と聞いてみる。
そして仕事を任せるときには、
「ここまでは自分で進めて大丈夫。ここから先は一度確認して」
と、判断できる範囲を明確にする。
それだけでも、部下はかなり動きやすくなるのではないでしょうか。
私自身も、まだまだ試行錯誤の途中です。
「もっと主体的に動いてほしい」と思う気持ちは、今でもあります。
ただ、以前のように「動かない=やる気がない」とすぐに判断することは少なくなりました。
まずは理由を聞いてみる。
そして、本人が安心して一歩踏み出せるように、こちらから仕事の範囲を示してあげる。
そうやって少しずつ経験を積んでもらう。
その先に、部下の「自分で考えて動く」という姿があるのかもしれません。
「指示待ち」に見えていた部下が、実は「確認待ち」だった。
この気づきは、私にとって、若手社員との接し方を少し変えてくれた出来事でした。
部下を変えようとする前に、こちらの見方を少し変えてみる。
それだけでも、管理職と部下の関係は、意外とラクになるのかもしれません。
- 【第53回】Z世代との接し方完全ガイド|50代管理職が実体験から学んだ考え方と伝え方
Z世代とのコミュニケーションや信頼関係づくり、世代間ギャップへの向き合い方をテーマ別にまとめています。 - 【第54回】若手社員の育て方完全ガイド|50代管理職が実体験から学んだ部下育成の考え方
若手社員の育成方法や指導のポイント、管理職としての考え方を実体験をもとに解説しています。
※本記事は、実際の職場での経験をもとに、一部内容を再構成しています。
※個人や特定の企業・状況が特定されないよう、一部内容を調整しています。
※「Z世代」という表現は世代全体を一括りにするものではなく、あくまで本記事では私自身の職場での経験を考えるための一つの視点として使用しています。価値観や行動には個人差があります。
※本記事内の画像には、AI(ChatGPT / DALL·E)およびCanvaによって作成されたものを含みます。すべて商用利用・ブログ掲載が可能な範囲で作成・使用しています。


コメント