こんにちは、昭和課長です。
管理職として若手社員と一緒に仕事をしていると、こんな場面に出会うことがあります。
- 仕事がうまくいっていないのに、なかなか相談してこない
- 期限が迫ってから突然「ちょっと相談があります」と言われる
- トラブルが起きていることを、かなり後になって知る
- 「もっと早く言ってくれれば対応できたのに」と思ってしまう
正直に言うと、私も何度も同じことを感じてきました。
「なぜ報連相してくれないの?」
「どうしてもっと早く相談してくれなかったんだろう?」
そんなモヤモヤを抱えながら、若手社員と仕事をしていた時期があります。
私は製造業で働く50代の会社員で、管理職になって約5年になります。現在は5人ほどの部下を見ながら、日々の仕事と人材育成に向き合っています。
私たちの世代にとって、「報連相(報告・連絡・相談)」は仕事の基本でした。
困ったら上司に相談する。仕事の進み具合を報告する。問題が起きたら早めに知らせる。
これを当然のこととして教えられてきた私にとって、若手社員がなかなか相談してこない状況には、どうしても違和感がありました。
ところが、ある出来事をきっかけに、私は少し考え方を変えることになります。
今回は、「なぜ報連相してくれないの?」と感じていた私が、若手社員と話して気づいたことを、実際の経験をもとにお話しします。
「順調に進んでいる」と思っていた仕事で起きたこと
ある日のことです。
私は若手社員に、ある業務を任せていました。
期限については事前に伝えてあり、本人も「わかりました」と答えていました。
その後、何日か経っても特に相談はありません。
私は、こう考えていました。
「特に問題なく進んでいるんだろうな」
もちろん、途中で確認することもできます。
しかし、細かいことまで上司が確認していては、若手社員が自分で仕事を進める機会を奪ってしまうかもしれません。
そのため、私はある程度本人に任せることにしました。
ところが、期限が近づいたある日のことです。
若手社員から、突然こんな言葉が出てきました。

「課長、ちょっとご相談いいですか?」
話を聞いてみると、実は数日前から作業が思うように進んでいなかったとのことでした。
私は一瞬、言葉に詰まりました。
心の中では、こんなことを考えていました。

(心の声)「それ、もっと早く言ってくれればよかったのに……」
もし3日前に相談してくれていれば、別の方法を提案できたかもしれません。
場合によっては、私が他の担当者に協力をお願いすることもできたでしょう。
しかし、期限直前になってから相談されると、できることが限られてしまいます。
このときの私は、かなり強く「報連相してほしい」と感じていました。
昭和世代にとって「報連相」は仕事の基本だった
私たちの世代は、仕事を始めたころから「報告・連絡・相談」を徹底するように教えられてきました。
私自身も若いころ、上司から何度も言われた記憶があります。
「困ったら早めに言え」
「悪い報告ほど早くしろ」
こうした言葉は、仕事をするうえで当たり前の考え方でした。
なぜなら、問題が小さいうちに相談すれば、修正できるからです。
反対に、問題を抱えたまま時間が経ってしまうと、取り返しがつかなくなることがあります。
製造業では、特にこの考え方が重要だと感じます。
- 品質に問題がある
- 納期に遅れる可能性がある
- 設備に異常がある
- 作業方法がわからない
- 判断に迷っている
こうしたことがあれば、早めに共有することで大きな問題になる前に対応できます。
だからこそ、私にとって「相談しない」という行動は、どうしてもリスクに見えてしまいました。
「なぜもっと早く相談しないの?」と本人に聞いてみた
ただ、いつまでも自分の価値観だけで考えていても、答えは見えてきません。
そこで私は、若手社員に率直に聞いてみることにしました。

「どうしてもっと早く相談してくれなかったの?」
すると、少し考えてから、こんな答えが返ってきました。

「自分で解決できると思っていました」
さらに話を聞いてみると、もう一つの本音も出てきました。

「途中で相談すると、自分では何もできないと思われそうで……」
この言葉を聞いたとき、私はハッとしました。
私は「報連相をしない=問題を軽く考えている」と思っていました。
しかし、本人の考えはまったく違っていたのです。
むしろ、「まず自分で何とかしなければいけない」と思っていたのです。
報連相しない理由は「怠慢」ではなかった
若手社員の話を聞いているうちに、私はいくつかの理由があることに気づきました。
1.まず自分で解決したい
若手社員の中には、「すぐに人に聞くのではなく、自分で調べて考えることが大切」と考えている人がいます。
これは、決して悪いことではありません。
自分で考える力を身につけることは、仕事を覚えるうえでとても重要です。
ただし、問題なのは「どこまで自分で考えて、どの段階で相談するのか」という基準が明確になっていない場合です。
本人は頑張っているつもりでも、上司から見ると「抱え込んでいる」ように見えてしまいます。
2.相談するタイミングがわからない
これも意外と大きなポイントでした。
「わからないことがあればすぐ相談して」と言われても、若手社員からすると、何が「すぐ」なのかわからないことがあります。
少し調べればわかることなのか。
30分悩んだら相談するのか。
それとも、1時間考えてから相談するのか。
この基準が曖昧だと、「もう少し自分で考えてみよう」となり、結果的に相談するタイミングが遅くなってしまいます。
3.「相談=能力不足」と思われるのが不安
私はここが特に印象に残りました。
本人は、上司に怒られることだけを恐れているわけではありません。
「こんなこともわからないのかと思われたくない」
「仕事ができないと思われたくない」
そんな気持ちもあるようでした。
つまり、報連相しない背景には、評価への不安や失敗への恐れが隠れている場合があるのです。
「指示待ち」に見えた行動ともつながっていた
ここで私は、これまでの若手社員とのやり取りを振り返りました。
以前の記事、【第6回】「指示待ちなのか?」と感じた私が気づいたZ世代の仕事観でも、私は「なぜ自分から動かないのだろう?」と感じた経験について書きました。
当時の私は、もっと自分から動いてほしいと思っていました。
しかし、今回の話と合わせて考えてみると、少し違った見方ができるようになりました。
「勝手に判断して失敗したらどうしよう」
「自分の判断で進めて大丈夫なのだろうか」
そんな不安があると、自分から動くことにも慎重になります。
そして、わからない状態になっても、すぐには相談できない。
結果として、上司から見ると「指示待ち」「報連相しない」という姿に見えてしまうのです。
もちろん、すべての若手社員が同じ考え方をしているわけではありません。
ただ、行動だけを見て「やる気がない」と決めつける前に、「なぜこの行動をしているのだろう?」と考えることは大切だと感じました。
責任に対する考え方ともつながっていた
さらに、このことは以前の記事で取り上げた「責任」に対する考え方ともつながっていました。
【第7回】「責任を取りたくないのか?」と感じた私が知ったZ世代の本音では、若手社員が責任を避けているように見えた出来事について書きました。
そのときも、本人に話を聞いてみると、単純に「責任を負いたくない」ということではありませんでした。
失敗したときの影響を考えて慎重になっていたのです。
今回の報連相についても、同じようなことが言えます。
「相談したくない」のではなく、「相談することで自分の評価が下がるのではないか」と考えている。
そう考えると、今までとは少し違った景色が見えてきます。
報連相のズレは「仕事に対する考え方」の違いだった
私が感じていた違和感の正体は、単純な世代差だけではありませんでした。
「報連相とは何か」という認識そのものが違っていたのです。
私たち昭和世代は、報連相を「仕事を安全に進めるために、こまめに共有するもの」と考えていました。
一方で、若手社員の中には、「自分で考えたうえで、必要になったら相談するもの」という感覚があります。
どちらが完全に正しい、どちらが間違っているという話ではありません。
ただ、この違いを知らないままだと、お互いに誤解してしまいます。
上司は「報告してこないから心配だ」と感じる。
部下は「任された仕事だから、まず自分でやってみよう」と考える。
このズレが積み重なると、上司と部下の間に少しずつ距離ができてしまいます。
管理職として「報連相して」と言うだけでは足りなかった
今回の経験を通して、私は「もっと報連相して」と言うだけでは不十分だと感じるようになりました。
大切なのは、「いつ、何を、どの段階で相談してほしいのか」を具体的に伝えることです。
例えば、私は次のようなルールを意識するようになりました。
- 予定より遅れそうになったら早めに相談する
- 自分だけでは判断できない問題が出たら相談する
- 品質や安全に関わる問題はすぐに報告する
- 期限に間に合わない可能性が出た時点で共有する
- 判断に迷った場合は、一人で抱え込まない
「何でも報告して」ではなく、「この場合は相談して」と具体的に伝える。
それだけでも、若手社員にとってはかなり判断しやすくなります。
「早く相談してくれて助かった」と伝える
もう一つ、私が意識するようになったことがあります。
それは、早めに相談してくれたときに、きちんと言葉で評価することです。
以前の私は、若手が相談してきたときに、問題の内容ばかりに目を向けていました。
「どうしてこうなったの?」
「もっと早く確認できなかった?」
もちろん、原因を確認することは必要です。
しかし、最初にそう言われたら、次から相談することが怖くなってしまうかもしれません。
そこで今は、まず、
「早めに相談してくれて助かった」
と伝えるようにしています。
そのうえで、「じゃあ、どうすれば解決できるか一緒に考えよう」と話す。
この順番を意識するだけでも、相談することへの心理的なハードルは下がるのではないかと感じています。
「報連相しやすい職場」は管理職が作るもの
もちろん、部下側にも責任はあります。
仕事を任された以上、状況を適切に報告することは大切です。
しかし、管理職として考えなければならないのは、「部下が相談しやすい環境になっているか?」ということです。
上司がいつも忙しそうにしている。
相談すると必ず否定される。
小さなミスを強く責められる。
そんな環境では、「ちょっと相談したい」と思っても、なかなか声をかけられません。
私自身も、振り返ってみると「相談しやすい上司」になれていなかった部分があったと思います。
これは、かなり大きな反省点でした。
私が今、若手社員との仕事で意識していること
今回の経験をきっかけに、私は次の3つを特に意識するようになりました。
① 報連相の基準を具体的に伝える
「何かあったら相談して」だけではなく、「この状態になったら相談して」と具体的に伝えます。
② 早めの相談を否定しない
相談内容が小さくても、「相談してくれてありがとう」と受け止めることを意識します。
③ 一緒に解決策を考える
問題が起きたときに犯人探しをするのではなく、「これからどうするか」に目を向けます。
もちろん、何でも甘やかせばいいという話ではありません。
必要な指導はきちんと行う。
ただし、「相談したこと自体」を責めない。
このバランスが、管理職には必要なのだと思います。
若手社員との会話で、私自身の考え方も変わった
今回の出来事を振り返ると、最初の私は「なぜ報連相してくれないのか?」という疑問からスタートしていました。
しかし、本人と話してみると、その背景には別の理由がありました。
自分で解決しようとしていた。
相談するタイミングに迷っていた。
仕事ができないと思われることを心配していた。
そして、失敗したくないという気持ちもありました。
つまり、私が「報連相しない」と見ていた行動の裏側には、若手社員なりの考え方があったのです。
ここで大切なのは、「だから報連相しなくてもいい」ということではありません。
そうではなく、なぜその行動になっているのかを理解したうえで、必要な行動を伝えることなのだと思います。
まとめ|「報連相してくれない」の裏側を考えてみる
「なぜ報連相してくれないの?」
以前の私は、若手社員の行動を見て、そんなふうに感じていました。
しかし、話をしてみると、単純に「報連相を軽視している」わけではありませんでした。
そこには、
- 自分で解決したいという気持ち
- 相談するタイミングへの迷い
- 評価を下げたくないという不安
- 失敗したくないという慎重さ
- 上司に迷惑をかけたくないという気持ち
など、さまざまな思いがありました。
もちろん、若手社員だからといって、すべてを「世代の違い」で片付けることはできません。
仕事をする以上、必要な報告や相談はきちんと行う必要があります。
ただ、管理職である私たちも、「なぜ報連相してくれないのか?」と責める前に、「相談しにくい理由があるのではないか?」と一度考えてみることが大切なのかもしれません。
そして、相談の基準を明確にする。
早めの相談を歓迎する。
問題が起きたときは、一緒に解決策を考える。
こうした小さな積み重ねが、若手社員との信頼関係につながっていくのだと思います。
昭和世代とZ世代では、仕事に対する価値観やコミュニケーションの取り方が違います。
最初は「どうして?」と思うこともあります。
私自身、今でもそう感じることはあります。
それでも、一歩踏み込んで本人と話してみると、「なるほど、そういう理由だったのか」と気づくことがあります。
違和感を感じたときこそ、相手を理解するチャンス。
最近は、そんなふうに考えるようになりました。
もし今、あなたも「若手社員が報連相してくれない」と悩んでいるなら、まず一度、本人に「どうして相談しにくかったの?」と聞いてみてはいかがでしょうか。
思っていた答えとは、まったく違う返事が返ってくるかもしれません。
私もまだまだ試行錯誤の途中です。
それでも、若手社員との会話を重ねることで、少しずつ「世代が違うからわからない」ではなく、「違うからこそ話してみよう」と思えるようになってきました。
この記事が、同じように若手社員とのコミュニケーションに悩んでいる管理職の方にとって、少しでも参考になれば嬉しく思います。
あわせて読みたい
若手社員とのコミュニケーションや仕事に対する考え方については、これまでの記事でも実体験をもとに紹介しています。
「なぜ自分から動かないのだろう?」と感じた方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
▶ 【第6回】「指示待ちなのか?」と感じた私が気づいたZ世代の仕事観
また、若手社員の「責任」に対する考え方についてはこちらの記事で紹介しています。
▶ 【第7回】「責任を取りたくないのか?」と感じた私が知ったZ世代の本音
こうして過去の記事を振り返ってみると、「指示待ち」「責任」「報連相」と、別々に見えていた問題が、実は若手社員とのコミュニケーションや仕事に対する価値観の違いという一本の線でつながっているようにも感じます。
最後に
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
このブログでは、製造業で管理職として働く私が、Z世代の若手社員との日々のやり取りを通して感じたこと、悩んだこと、そして考え方が変わった出来事を、できるだけリアルにお伝えしています。
すべての若手社員が同じ考え方をしているわけではありません。
この記事で紹介した内容も、あくまで私自身が職場で経験した一例です。
だからこそ、「Z世代はこうだ」と決めつけるのではなく、「自分の職場ではどうだろう?」と考えるきっかけとして読んでいただければと思います。
管理職として、私自身もまだまだ勉強中です。
これからも若手社員との関わりの中で感じたことを、失敗談も含めて発信していきます。
同じように若手社員とのコミュニケーションに悩んでいる方にとって、「自分だけじゃなかった」と少しでも気持ちが軽くなれば幸いです。
- 【第53回】Z世代との接し方完全ガイド|50代管理職が実体験から学んだ考え方と伝え方
Z世代とのコミュニケーションや信頼関係づくり、世代間ギャップへの向き合い方をテーマ別にまとめています。 - 【第54回】若手社員の育て方完全ガイド|50代管理職が実体験から学んだ部下育成の考え方
若手社員の育成方法や指導のポイント、管理職としての考え方を実体験をもとに解説しています。
※本記事は、実際の経験をもとに一部内容を再構成しています。
※個人や特定の状況が特定されないよう、一部内容を調整しています。
※本記事内の画像には、AI(ChatGPT / DALL·E)およびCanvaによって作成されたものを含みます。すべて商用利用・ブログ掲載が可能な範囲で作成・使用しています。


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