こんにちは、悩める昭和課長です。
「実は転職を考えています」
入社してまだ1年に満たない若手社員からそう告げられたとき、私は正直、言葉を失いました。まだ仕事の半分も覚えていないはずなのに、なぜもう次のことを考えているのか。頭の中では「なぜそんなに早く辞めようとするのだろう?」という疑問がぐるぐると回っていました。
今回は、そんな私自身の戸惑いをきっかけに、管理職として若手社員と向き合う中で見えてきたZ世代の転職観について、実体験をもとに掘り下げていきます。
昭和世代にとって「転職」は最終手段だった
私たち昭和世代にとって、転職とは決して軽い決断ではありませんでした。
- 一度入った会社で長く勤め上げる
- 多少つらくても、まずは我慢して続ける
- 経験を積みながら、じっくりキャリアを築いていく
こうした価値観が、当たり前のように染みついています。転職する人がいなかったわけではありませんが、それは「よほどの事情がある人」がとる、最後の手段というイメージが強かったように思います。
だからこそ、部下が入社1年足らずで転職を口にする姿を見ると、どうしても「そんなに簡単に辞めていいのか」と感じてしまうのです。
Z世代にとって「転職」はキャリアの選択肢のひとつ
しかし、若手社員と繰り返し話をするうちに、少しずつ見方が変わってきました。彼らにとって転職は、特別に重い決断ではないようなのです。
ある日、部下との会話でこんなやり取りがありました。

「まだ1年も経ってないよね。もう転職を考えているの?」

「はい。でも、合わない環境で無理に続けるより、早めに自分に合う場所を探した方がいいと思っていて…」
この一言に、私は考えさせられました。昭和世代は「会社に自分を合わせる」ことを前提にしていますが、Z世代は「自分に合う会社を選ぶ」という発想を持っている。同じ「働く」という行為でも、出発点がまったく違うのだと気づかされた瞬間でした。
こうした価値観の違いは、日々の仕事の進め方にも表れています。以前取り上げた「指示待ち」に見える若手の行動の背景にも、実は同じような仕事観が関係しているのかもしれません。
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【第6回】「指示待ちなのか?」と感じた私が気づいたZ世代の仕事観
データで見る「早期離職」は特別なことではない
感覚的には「最近の若者はすぐ辞める」と感じがちですが、実際のデータを見ると、これは今に限った話ではないようです。厚生労働省の調査によると、新卒社員のうち1年以内に離職する人は例年一定数存在し、おおよそ1割以上に達するとされています。
つまり、10人採用すれば1人以上が1年以内に辞めている計算になります。決して「今の若者だけ」の特殊な現象ではなく、一定数は昔から存在していたということです。ただ、SNSや転職サービスの普及によって「転職という選択肢」が以前よりも身近になり、行動に移すハードルが下がったことは間違いなさそうです。
Z世代が転職を考える3つの理由
実際に若手社員たちの話を聞いていると、転職を考える理由にはいくつかの共通点があるように感じます。
①成長を実感できないこと
「このまま続けても、自分が成長できているのか分からない」という言葉は、多くの若手が口にします。昭和世代はまず仕事を覚えることを優先してきましたが、Z世代は「成長のスピード」そのものを重視する傾向が強いようです。
②評価されることへの不安
「頑張っても評価されないかもしれない」という不安を抱えると、早めに環境を変えた方がいいと考える人もいます。この点については、以前の記事でも触れたように、Z世代は失敗や評価に対して人一倍敏感な傾向があります。
(関連記事)
【第13回】失敗を避けるZ世代?昭和世代が「失敗から学んできた理由」
③仕事とプライベートのバランス
昭和世代にとって「仕事中心の生活」は当たり前のことでした。しかしZ世代は、仕事だけでなくプライベートや自己成長の時間も同じくらい大切にします。働き方が自分の価値観と合わないと感じたとき、転職という選択肢が自然に浮かんでくるのかもしれません。
「なぜそんなに辞めるの?」その答えが見えた出来事
ある日、退職を考えている若手社員から相談を受けたときのことです。私は思わずこう聞きました。
「もう少し続けてみようとは思わないの?」
彼は少し考えてから、こう答えました。
「もちろん悩みました。でも、今のうちに動いた方が、自分の可能性を広げられると思ったんです」
この言葉を聞いて、私はハッとしました。昭和世代は「我慢して続けること」で自分の道を切り開いてきました。しかしZ世代は、「環境を変えること」でチャンスを広げようとしている。どちらが正しいというより、道の選び方そのものが違うのだと理解できた瞬間でした。
報告や相談のタイミングについても、世代間で感覚のズレを感じることがあります。こちらも合わせて読んでいただくと、Z世代の仕事観がより立体的に見えてくるはずです。
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【第8回】「報連相しない若手」に違和感…期限ギリギリで相談してくる理由
昭和世代の管理職が学ぶべきこと
もちろん、早期に転職することが常に正しいとは限りません。仕事は続けることで見えてくる景色があり、経験を積むことで初めてできるようになることも確かにあります。
ただ一方で、Z世代の転職観から私たち昭和世代の管理職が学べることも多いと感じています。
- 自分のキャリアを他人任せにせず、主体的に考える姿勢
- 環境を変えることを、失敗ではなく前向きな選択として捉える柔軟さ
- 「合わない場所で頑張り続けること」を無条件に美徳としない考え方
こうした価値観は、これからの時代の働き方を考えるうえで、決して無視できないものだと感じています。
まとめ:転職観の違いは「善悪」ではなく「発想の違い」
昭和世代とZ世代では、転職に対する考え方が大きく異なります。
昭和世代は「続けること」に価値を見出し、Z世代は「自分に合う環境を選ぶこと」を重視する。どちらが正しく、どちらが間違っているという話ではなく、時代とともに「キャリアの築き方」そのものが変化してきたのだと思います。
もし今、部下の「転職したい」という言葉に戸惑っている管理職の方がいたら、まずは否定せずに、その理由をじっくり聞いてみることをおすすめします。そこには、昭和世代とは違う、けれど決して間違っていない仕事観が見えてくるはずです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
Z世代の仕事観シリーズ
- 【第13回】失敗を避けるZ世代?昭和世代が「失敗から学んできた理由」
- 【第8回】「報連相しない若手」に違和感…期限ギリギリで相談してくる理由
- 【第6回】「指示待ちなのか?」と感じた私が気づいたZ世代の仕事観
※本記事は、実際の経験をもとに一部内容を再構成しています。
※個人や特定の状況が特定されないよう、一部内容を調整しています。
※本記事内の画像には、AI(ChatGPT / DALL・E)および Canva によって作成されたものを含みます。すべて商用利用・ブログ掲載が可能な範囲で作成・使用しています。


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