優しさと甘さの違いに悩んだ話|50代管理職が気づいた境界線 【第21回】

管理職の悩み

こんにちは、昭和課長です。

管理職として部下を指導していると、こんなことで悩むことはありませんか?

「厳しく言えばパワハラと思われるかもしれない」
「でも、何も言わなければ本人のためにならないのでは?」

私自身、50代の管理職として若手社員と仕事をする中で、何度もこの問題に悩んできました。

特に難しいと感じたのが、「優しさ」と「甘さ」の境界線です。

相手の気持ちを考えて強く言わないことは、一見すると優しい対応に見えます。

ところが、必要な注意まで避けてしまえば、本人が同じ失敗を繰り返したり、何を期待されているのか分からなくなったりすることがあります。

この記事では、私自身が若手社員との関わりの中で経験した失敗を振り返りながら、「優しさ」と「甘さ」は何が違うのか、そして管理職としてどのように部下と向き合えばいいのかを考えてみます。

なぜ「優しさ」と「甘さ」の違いに悩むのか

管理職になったばかりの頃の私は、部下に対して「できるだけ嫌な思いをさせないようにしたい」と考えていました。

特に若手社員に対しては、昔の自分が受けてきたような厳しい指導をそのまま行うのは違うのではないか、と感じることもありました。

もちろん、相手の気持ちを考えることは大切です。

しかし、そこで私が悩んだのが、「配慮」と「遠慮」は違うのではないかということでした。

パワハラへの意識が強くなった

以前の職場では、「仕事なのだから厳しく言われるのは仕方がない」という考え方もありました。

私自身も若い頃には、先輩や上司から厳しく注意されながら仕事を覚えてきました。

ところが、自分が管理職になってみると、同じような指導をすればいいわけではありません。

実際に私は、部下から「それパワハラです」と言われた経験があります。

そのときの経験については、第3回の記事でも詳しく書いています。

▶【第3回】「それパワハラです」と言われた日

この経験があってから、私は「どこまで言っていいのだろう」と考えることが増えました。

ただ、今振り返ると、「強く言わないこと」と「必要なことを伝えないこと」は別の話だったのです。

「Z世代だから」で片付けてはいけない

若手社員と仕事をしていると、仕事に対する考え方やコミュニケーションの取り方に、私たちの世代とは違いを感じることがあります。

例えば、仕事の目的や理由を知りたい、納得してから行動したい、自分の時間も大切にしたい、と考える若手社員もいます。

ただし、私は今では、こうした特徴をすべて「Z世代だから」と決めつけないようにしています。

同じ世代でも性格は違いますし、仕事への考え方も一人ひとり違います。

大切なのは世代を一括りにすることではなく、目の前の部下が何を考えているのかを確認することだと感じています。

私が失敗した「優しさ」のつもりの対応

私が管理職として最初に失敗したのは、部下に嫌われないことを意識しすぎたことでした。

「ここまで言ったら嫌な気持ちになるかな」

「今注意すると、やる気をなくしてしまうかな」

そんなことを考えて、言うべきことを先送りしてしまうことがありました。

注意を避けてしまった

例えば、仕事の進め方に明らかな改善点があったとしても、私はすぐに指摘せず、しばらく様子を見ることがありました。

もちろん、一度のミスですぐに強く注意する必要はありません。

しかし、同じことが何度も続いているのであれば、管理職として伝える必要があります。

ところが私は、「まあ今回はいいか」と流してしまうことがありました。

その結果、何が起きたか。

  • 同じようなミスが繰り返される
  • 本人が改善点に気づかない
  • 周囲の社員がフォローする場面が増える
  • チーム全体の基準が曖昧になる

そこで私は気づきました。

注意しないことが、必ずしも部下のためになっているわけではない。

むしろ、私自身が嫌われることを避けていただけだったのかもしれません。

期待を伝えていなかった

もう一つの問題は、部下に対して「何を期待しているのか」を十分に伝えていなかったことです。

管理職としては、頭の中に「これくらいはできてほしい」という基準があります。

しかし、それを言葉にしなければ、相手には伝わりません。

私の中では「普通に考えれば分かること」でも、部下からすれば「どこまでやればいいのか分からない」ということがあります。

この経験から、私は「分かっているつもり」ではなく、「具体的に伝える」ことが大切だと考えるようになりました。

優しさと甘さの違いに気づいたきっかけ

私が大きく考え方を変えるきっかけになったのは、ある部下とのやり取りでした。

私は「本人に任せた方がいい」と考え、細かいことを言わずに見守っていました。

ところが、後になって仕事の結果を確認すると、本人が「そこまで求められているとは思っていなかった」という状態になっていました。

私はそこで、あることに気づきました。

「伝えていないことは、できなくて当たり前なのではないか」

私が「これくらいは分かっているだろう」と思っていたことが、相手には伝わっていなかったのです。

そこで、私の中にあった「任せる」と「放っておく」の違いがはっきりしました。

  • 任せる=期待や目的を伝えたうえで任せる
  • 放っておく=必要な説明や確認をしない

この2つは似ているようで、実際には大きく違います。

私が考える「優しさ」と「甘さ」の違い

これまでの経験を通して、私は「優しさ」と「甘さ」を次のように考えるようになりました。

優しさとは「相手の成長を考えること」

私が考える優しさとは、単純に相手を楽にしてあげることではありません。

その人が今後成長していくために必要なことを、相手の立場を考えながら伝えることだと思っています。

もちろん、伝え方には配慮が必要です。

人前で強く叱るのではなく、必要であれば個別に話す。

人格を否定するのではなく、具体的な行動について話す。

「ダメだった」で終わらせるのではなく、「次はどうすればいいか」まで一緒に考える。

これなら、厳しい内容であっても、相手を否定する指導にはなりにくいと私は考えています。

甘さとは「自分が嫌われたくないこと」かもしれない

一方で、私が以前やっていた「甘い対応」は、相手のためというより、自分自身が嫌な思いをしたくないという気持ちから生まれていたように思います。

「注意して嫌われたくない」

「面倒な話し合いをしたくない」

「その場の空気を悪くしたくない」

こうした気持ちは、管理職なら誰でも一度は感じるのではないでしょうか。

しかし、それを理由に必要な指導を避けてしまえば、長い目で見ると部下のためにならない場合があります。

だから私は、「今この人に何を伝えることが、本当に本人のためになるのか」を考えるようになりました。

明日からできる3つの実践ポイント

① 期待することを具体的に伝える

まず大切なのは、「頑張って」だけで終わらせないことです。

例えば、

  • 何をしてほしいのか
  • なぜ必要なのか
  • いつまでに必要なのか
  • どの程度までできればいいのか

ここまで具体的に伝えるだけでも、部下の受け取り方は変わります。

私自身も、以前は「言わなくても分かるだろう」と考えていました。

しかし、今では「分かっているだろう」と思ったときほど、確認するようにしています。

この考え方は、これまでのZ世代との関わりをまとめた第20回ともつながっています。

▶【第20回】Z世代との接し方に悩んだときの考え方

② フィードバックは「人格」ではなく「行動」にする

注意するときに気をつけたいのが、相手そのものを否定しないことです。

例えば、

「なんでこんなこともできないの?」

ではなく、

「今回ここが抜けていたので、次回からはこの段階で確認しよう」

というように、具体的な行動について話します。

これなら、部下も「自分自身を否定された」と感じるのではなく、「次に何を改善すればいいのか」と考えやすくなります。

私自身も、以前は感情が先に出てしまうことがありました。

だからこそ、今では一度頭の中を整理してから話すことを意識しています。

③ できたことはきちんと認める

指導というと、「できていないことを注意する」イメージが強くなりがちです。

しかし、改善した部分や努力した部分を認めることも、管理職の大切な仕事だと思っています。

「前回より確認が早くなったね」

「今回は自分から相談できていたね」

このように具体的に伝えれば、本人も「何が良かったのか」を理解できます。

ただ「すごいね」「頑張ったね」と言うだけではなく、どこを評価しているのかを具体的に伝えることがポイントです。

褒めているのに相手に響かないと感じた経験については、第12回でも書いています。

▶【第12回】「褒めているのに響かない?」と感じた私が気づいたこと

「任せる」と「甘やかす」は違う

管理職としてもう一つ意識するようになったのが、部下に任せることと、甘やかすことを混同しないということです。

部下に仕事を任せる以上、失敗する可能性もあります。

だからといって、最初からすべて細かく指示してしまえば、本人が考える機会を奪ってしまいます。

逆に、「本人に任せているから」と何も確認しなければ、問題が大きくなることもあります。

そこで私が意識しているのが、「任せるけれど、必要なときには確認する」という距離感です。

仕事の進み具合を確認し、困っていることがないかを聞く。

必要なら方向を修正する。

そして、できるようになってきたら少しずつ口を出す量を減らす。

この繰り返しが、管理職としての「任せる」に近いのではないかと思っています。

優しさだけではなく「伝える責任」も持つ

若手社員との関係を良くしたいと思うほど、つい「優しい上司」でありたいと考えてしまいます。

私も以前はそうでした。

しかし、管理職になって分かったのは、部下から嫌われないことが管理職の仕事ではないということです。

もちろん、威圧的な態度を取ったり、感情的に怒ったりする必要はありません。

だからといって、必要な指導まで避けていいわけでもありません。

部下の成長を考えるなら、ときには言いにくいことも伝える必要があります。

そのときに大切なのは、「厳しく言うか、優しく言うか」だけではありません。

「何のために伝えるのか」を自分自身が理解していることだと思います。

まとめ|優しさとは「何も言わないこと」ではない

今回、私自身の経験を振り返って改めて感じたのは、優しさと甘さは、似ているようでまったく違うということです。

私が考える違いは、次のようなものです。

  • 優しさ=相手の成長や将来を考えて、必要なことを伝える
  • 甘さ=嫌われたくない、波風を立てたくないという自分の気持ちを優先する

もちろん、これはあくまで私自身が管理職として経験してきた中で感じたことです。

すべての若手社員やZ世代に当てはまるわけではありませんし、職場環境や仕事内容によっても適切な関わり方は変わります。

それでも、「何も言わないことが優しさなのか?」と迷ったときには、一度立ち止まって考えてみる価値はあると思います。

「今、何を伝えることが、この人のためになるのか?」

私は最近、この問いを自分自身に投げかけるようになりました。

まだまだ私自身も試行錯誤の途中です。

それでも、以前のように「嫌われないようにする」ことだけを考えるのではなく、相手の成長を考えて必要なことを伝える。

その姿勢を大切にするようになってから、部下との関係について考え方が少しずつ変わってきました。

もし今、「優しく接したいけれど、どこまで注意すればいいのか分からない」と悩んでいる管理職の方がいれば、この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。

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この記事について

本記事は、私自身の管理職としての経験をもとに、一部内容を再構成して紹介しています。

実際の職場や個人が特定されないよう、一部の状況や表現を変更しています。

また、本記事で紹介している考え方は、あくまで私個人の経験や見解に基づくものです。すべてのZ世代や若手社員、すべての職場に当てはまるものではありません。

記事内の画像には、AI(ChatGPT / DALL·E)およびCanvaを利用して作成したものを含みます。

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